(6日、第107回全国高校野球選手権大会1回戦 開星6―5宮崎商=延長十回タイブレーク) 73球目の渾身(こんしん)の…
(6日、第107回全国高校野球選手権大会1回戦 開星6―5宮崎商=延長十回タイブレーク)
73球目の渾身(こんしん)のスライダーが外野に運ばれ、延長タイブレークの十回裏に決勝点を奪われた。
六回途中からマウンドへ上がった宮崎商の日高有希也選手(3年)は、顔をグラブで覆ってうつむいた。この時、甲子園から始まった1年が、終わりを迎えた。
昨年8月10日。日高選手は一つ上の先輩たちと中京大中京(愛知)との初戦に出た。チームは七回に勝ち越した直後に逆転を許し、3―4で惜敗。バックネット裏へ引き上げる時、声援が聞こえた。
「ありがとう」
「また来いよ」
その時「今度はチームを引っ張って必ず戻ってくる」と誓った。
新チームの中心は今の3年生14人。一人ひとりの力は飛び抜けていなくても、甲子園で勝つために「団結力」の高いチームをめざした。冬場の体づくりも一緒。宮崎市内の公園の長い階段を、仲間をおんぶして駆け上がり、一体感を育んだ。
成果は今春の県大会優勝に実を結んだ。日高選手自身は5月の招待試合で選抜大会優勝の横浜を相手に4安打を放ち、宮崎大会では「県内ナンバー1打者」とも言われた。
この日の甲子園では四回の同点適時打を含め2安打。投げては六回途中から1死満塁のピンチをしのぎ、九回の攻撃は自身の四球から同点に追いつく粘りを見せた。
結果は昨夏と同じ1点差。だが今夏は「どんな展開でもあきらめない野球が、甲子園でも発揮できた」。
だから後輩たちに思いを託す。「来年は、後輩たちがまたここで躍動してほしい」。甲子園で勝つために。(奥正光)