(6日、第107回全国高校野球選手権大会1回戦 仙台育英5―0鳥取城北) ここが勝負どころと、仙台育英が動いた。 0―0…
(6日、第107回全国高校野球選手権大会1回戦 仙台育英5―0鳥取城北)
ここが勝負どころと、仙台育英が動いた。
0―0で迎えた四回無死一塁、打席には4番川尻結大(ゆいと)が入っていた。その初球、一塁走者の土屋璃久が走った。二塁手がベースカバーに入り、ぽっかり空いた一、二塁間に川尻がしぶとく転がす。絵に描いたようなランエンドヒットで、一、三塁とすると、続く和賀颯真(ふうま)の左前安打で先制に成功した。
試合前、仙台育英の須江航監督は言った。「鳥取城北は大会屈指の投手陣」と。だから覚悟を固めていた。「打ち崩すなんて考えるとおかしくなる。泥臭く、丁寧に、ギャンブルみたいなプレーもしていく」
その言葉通りに、たたみかけた。送りバントで1死二、三塁とすると、1年生の砂涼人は外に外れた球に身を投げ出してスクイズ。「難しい球をうまく転がすことができた」と追加点をつかんだ。
さらに3連打が飛び出し、この回4得点。リードを背に、先発の吉川陽大(あきひろ)はすいすいと完封した。
3年ぶりの優勝を目指す大会の初戦。ベンチの仕掛けで試合を動かし、勝利をもぎ取った。(塩谷耕吾)