<第107回全国高校野球選手権大会:仙台育英5-0鳥取城北>◇6日◇1回戦◇甲子園 仙台育英(宮城)のプロ注目左腕が、ポ…

<第107回全国高校野球選手権大会:仙台育英5-0鳥取城北>◇6日◇1回戦◇甲子園

 仙台育英(宮城)のプロ注目左腕が、ポテンシャルの高さを存分に発揮し、チームを4大会連続の初戦突破に導いた。

 先発の吉川 陽大投手(3年)が5安打完封劇。4回をのぞく毎回の12奪三振をマークした。140キロ台の速球に加え、スライダー、カットボールが低めに決まり、鳥取城北打線をきりきり舞いさせた。12三振のうち、変化球での三振は9個にも上った。警戒していても対応できない。そんなレベルの高い、精度の高い変化球だった。

 吉川は 「須江監督から甲子園は力以上のものが出るといわれて、丁寧に勝負することができた。自分の課題だったカーブも上手く投げることができた」と冷静に振り返った。8回から途中出場でマスクをかぶった倉方 湊都捕手(1年)は「終盤でも勢いはあって、カットボールがすごかった」と先輩左腕のすごさに目を丸くしていた。

 打線は4回に3連打、スクイズ、3連打の集中攻撃で4得点。5回には2番・原 亜佑久外野手(3年)の大会第1号となるソロも飛び出した。

 投打にわたって相手を圧倒しての初戦突破。それでも須江監督は謙虚に試合を振り返る。

 「鳥取城北さんはかなり力のあるチーム。映像、データを見て絶対にロースコアになると思った。挑戦者という気持ちがあったから勝てた」

 優勝した3年前も初戦で鳥取県勢を倒してのスタートだった。再び東北の雄が、頂点への道を歩み始めた。