(5日、第107回全国高校野球選手権1回戦 創成館3―1小松大谷) 三回裏、2点を勝ち越され、なおも1死二、三塁のピン…
(5日、第107回全国高校野球選手権1回戦 創成館3―1小松大谷)
三回裏、2点を勝ち越され、なおも1死二、三塁のピンチ。小松大谷の中田凜投手(3年)は、2番手で登板した。「今年は、絶対にやり返す。強い気持ちでマウンドに立つ」。3球目を打たせて左飛に。飛び出した二塁走者が帰塁できず、併殺で切り抜けた。
昨夏の甲子園の苦い記憶があった。3回戦の智弁学園(奈良)との試合。先発し、初めて甲子園のマウンドに上がった。しかし、2失点して3回途中で降板。「試合の流れをつくることができなかった。3年生の夏を、自分が終わらせてしまった」
3日の甲子園練習では、1年ぶりに聖地の土を踏み、「グラウンドの凜々(りり)しい空気感が懐かしかった。気持ちが引き締まった」と目を輝かせた。
リベンジの舞台は、大会初の夕方からの開幕試合。「とにかくバッターをおさえようと、相手の声援も聞こえないくらい集中していた」
マウンドでは、持ち味の打たせて取る投球で、最後まで無失点に抑えた。チームは逆転できずに敗退。「野球の技術よりも、精神的に人として成長できた。指導者の方々に感謝しかない」と話した。(砂山風磨)