開幕戦を1失点完投で制した創成館・森下翔太(C)産経新聞社 第107回全国高校野球選手権大会(甲子園)が8月5日に開幕。…

開幕戦を1失点完投で制した創成館・森下翔太(C)産経新聞社

 第107回全国高校野球選手権大会(甲子園)が8月5日に開幕。開会式後に行われたオープニングゲームは、創成館(長崎)が小松大谷(石川)を3-1で下し、3年連続の初戦突破を決めた。

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 創成館のエース・森下翔太が、最後も自慢のストレートで決めた。外角高めいっぱいの153球目は、143キロを計測。この試合13個目の三振を空振りで奪い、ナインと勝利のハイタッチを交わした。

 阪神の主軸と同姓同名ということで、大会前から注目を集めていたエース右腕。身長は“本家”より12センチ低い170センチながら、馬力は十分で最速149キロを誇る。開幕戦もMAX146キロを計測し、150球を超えても球威は落ちず、底知れぬスタミナを見せつけた。

「森下翔太×甲子園」——自身の打席では、阪神・森下と同じヒッティングマーチがアルプス席から流れた。それに乗せられるように、1点を追う2回には、2死一塁から高め直球を左翼線に運び、同点タイムリー二塁打。SNS上では「創成館の森下翔太は二刀流やね」と投打の活躍を称える声が相次いだ。

 初回こそ3安打を許して先取点を奪われたが、2回以降は切れ味鋭いスライダーとカーブなどで緩急をつけ、小松大谷打線を手玉に取った。終わってみれば6安打1失点の完投。13奪三振の豪快さに、無四死球という繊細さも光った。

 ロードに出た阪神と入れ替わるように、甲子園の声援を浴びたヒーローに対して、虎党からは賛辞が止まらない。「こんなん応援してまうやん!」「小さな大エース」「甲子園で輝く森下翔太最高や!!!」「阪神入ったらもっとおもろい」といったコメントが見られた。

 試合を中継したNHKのインタビューを通じて、稙田龍生監督も「森下が流れを変えてくれました。13奪三振?甲子園という大舞台で素晴らしいピッチングをしてもらって、改めてすごい投手だなと思いました」と手放しで褒めた。1週間後の2回戦は、神村学園(鹿児島)との九州対決。学校初の夏2勝目は、森下翔太の右腕にかかっている。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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