前週「AIG女子オープン(全英女子)」で日本人史上6人目のメジャー制覇を遂げた山下美夢有が5日、成田空港に帰国した。激闘…

前週「AIG女子オープン(全英女子)」で日本人史上6人目のメジャー制覇を遂げた山下美夢有が5日、成田空港に帰国した。激闘後の慌ただしいスケジュールと長時間フライトにも疲れを見せず、ファンの出迎えと祝福に笑顔があふれた。
帰国便では、本人がポイントに挙げた最終日13番(パー5)で決めた8mほどのパーパット、さらには最後のシーンが鮮明によみがえったという。「18番のフェアウェイを歩いていく時のギャラリーの多さとか、やっぱりメジャーって違うんだなって。あの景色は絶対に忘れないな、と」

優勝会見でも繰り返した地道な積み重ねへの自負と、全力で支えてくれたコーチの父・勝臣さんをはじめとする周囲への感謝が改めてにじむ。高いショット精度と卓越したショートゲームスキルを軸とする日本ツアー時代からのスタイルを貫いてメジャーの頂点に立ったが、米ツアーに主戦場を移したシーズン当初は葛藤も抱えていた。
「やっぱりはじめの方は少し(スタイルを)変えたいなとか、距離を伸ばしたいなと思う部分もあった。『10ydくらい伸びてくれたらいいな…』とか思ったりもありました」と明かす。実際に、試合を戦いながらトレーニングの負荷を上げてフィジカルを鍛えようとトライもした。「でも、それをすることによってパフォーマンスが上がらなかったんです」。日本で勝利を重ねてきた戦い方への原点回帰を決めたのが全英女子の3週前、7月「アムンディ エビアン選手権」に向かう直前のことだった。
父からも、ショットの内容ばかりにフォーカスするのではなく、どうやったらバーディを獲れるかというスコアメークへの意識を高めるよう助言を受けた。「それ(トレーニングの是非など)は人それぞれ。どれがいいとかもないと思いますし、自分に合ったことをするのがやっぱり一番大事。今後も変えずにやるだけかな」。迷いを断ち切って乗り込んだ欧州で最高の結果を出し、確信を深めた。
1カ月ぶりの帰国で、休む間もなく8日(金)からは今季初の国内ツアー「北海道 meiji カップ」(札幌国際CC島松C)に出場する。日本のファンの前でプレーできる喜びとともに、主戦場へ戻るまでのわずかな期間で日本食も楽しみたいと話す。「もともとお肉が大好きなんで、焼き肉が食べたいですね。お寿司とかスープカレーとか、おいしいものを食べて、試合を頑張りたい」と笑った。(編集部・亀山泰宏)