第107回全国高校野球選手権大会(朝日新聞社、日本高校野球連盟主催)開幕前日の4日、開会式予行のあった阪神甲子園球場の…

 第107回全国高校野球選手権大会(朝日新聞社、日本高校野球連盟主催)開幕前日の4日、開会式予行のあった阪神甲子園球場のスタンドで、秋田代表の金足農の中泉一豊監督(52)が、初戦で当たる沖縄尚学の比嘉公也監督(44)と対談した。6日の第3試合の本番をにらみ、お互いが胸の内を語った。

 ――お互いの印象は

 中泉 沖縄尚学は左腕も右腕も投手がいい。

 比嘉 金足農も吉田大輝投手(3年)を中心に組織力がある。投手の出来が勝敗を分けるのかなと。

 ――似たようなチーム

 比嘉 どうですかね。ぼくらは機動力に欠けるので。出塁してバントで送って、かえすのが基本。だが、吉田投手は制球がいいので、連打は見込めないでしょう。何とか1点を、とは思います。

 中泉 守ることを一番に考えて、チーム作りをしていますが、やっぱり点を取らないと勝てない。何とかして少ないチャンスを生かしたい。

 ――双方のエースについては

 中泉 左の末吉良丞投手(2年)は最速150キロ。そういう投手と対戦したことがないので。たぶん、予想以上に速く感じるでしょう。変化球も。どこまで球を見極められるか。

 比嘉 吉田投手は、うちの末吉とは正反対というか、コントロールがいい。試合を組み立てられる、うまさを持ち合わせた投手です。

 ――キーとなるのは

 中泉 内野手。しっかりアウトを取る。特に二遊間。一塁手、三塁手も長打を打たせないよう、ライン際をしっかり抑えてくれれば。

 比嘉 うちは捕手かな。金足農は走ってくるでしょう。一発目に(盗塁を)刺せるかどうか。以降の展開に影響してくる。

 ――金足農はバントを多用する。末吉投手のフィールディングに不安は

 比嘉 末吉以外がボールを捕るよう、指示しています。

 中泉 いや、いや。こちらもバントができるか、という不安はあります。球に力があるから。

 ――どんな展開に

 中泉 失点は2点まで、というところは変えずにいきたい。

 比嘉 理想は点を取られたくない。そうならなかった場合、打ち合いなら、打ち勝てるというような試合にしたい。(構成・隈部康弘)