全国高校総体(インターハイ=読売新聞社共催)は3日、新たに体操競技、ハンドボールが始まり、計12競技が5県で行われた。…
全国高校総体(インターハイ=読売新聞社共催)は3日、新たに体操競技、ハンドボールが始まり、計12競技が5県で行われた。
自転車競技男子個人ロードレースで倉吉西の吉田奏太選手(3年)が念願だった地元での優勝を果たした。
高校入学時から今大会での優勝を意識し、昨年の総体や2月のアジア選手権で優勝を重ねて名を上げた。
しかし、得意の2種目で4位に終わった上、落車して背中や脚、脇腹などに打撲と擦過傷を負った。痛み止めを飲んで迎えた最終日。最後の種目は81・1キロに及ぶ山道で速さを競う過酷なロードレースだった。「完走できなくても仕方ない。もうどうにでもなれ」とスタートを切ると気持ちが楽になり、5人の先頭集団に交じった。
勝敗を分けたのは60キロを越えたあたりののぼり坂。少しペースを上げると、周囲の選手が苦しそうに見えた。「ここだ」。そのままペダルを踏み込み、4人を突き放した。競技を始めた小学生の頃から50回以上走り込んだ道で地の利が生きた。
一時は25秒差まで追い上げられ、両脚の太もも裏がつりそうになったが、「いける」と信じてゴールまで駆け抜けた。「ずっと望んでいた地元での優勝は本当にうれしい。最後は走り慣れた道が勝たせてくれた」と笑顔を見せた。