トッテナム退団を公表したソン・フンミン(C)Getty Images エモーショナルに退団を決めた韓国の偉才の行く末が注…

トッテナム退団を公表したソン・フンミン(C)Getty Images

 エモーショナルに退団を決めた韓国の偉才の行く末が注目を集めている。

 8月2日、韓国代表FWのソン・フンミンは、約10年間在籍したトッテナムを退団する意向を表明した。アジアツアーに参加するために母国にいた33は、ニューカッスルとのプレシーズンマッチを前にした会見で「トッテナムでできることをすべてやり遂げた」と自ら語った。

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 ソン・フンミンは、2015年夏にトッテナムに加入。圧倒的なスピードと卓越したシュートスキルで、21-22シーズンにはアジア人として初めてプレミアリーグの得点王に輝くなど、ゴールを量産。相次ぐ怪我に泣いた昨季まで、9年連続でのシーズン2桁得点達成していた。

 ファンからも愛された点取り屋は、トッテナムと2026年6月までの契約を残しているが、「新たな挑戦のため、新しい環境が必要」と決意。移籍金を残す形での退団を決めたわけである。

 注目される新天地は、これまで怒涛の札束攻勢で数多のスター選手を獲得してきたサウジアラビアの強豪アル・ヒラルが有力視されてきた。しかし、ここにきて現実味を帯び始めているが、アメリカのMLSで競争力を高めるロサンゼルスFCだ。英紙『Daily Mail』などによれば、すでにクラブ間での交渉は進んでおり、2000万ドル(約29億6000万円)で合意すると見られている。

 詳細な契約内容は不明ながら、2026年のワールドカップの舞台ともなるアメリカ行きが有力視されるソン・フンミン。そんな韓国代表FWの獲得動静には、早くも異論が飛んでいる。元フランス代表DFで、チェルシーなどで活躍した実績を持つフランク・ルブーフ氏は、米メディア『Athlon Sports』で「リーグのためにならない」と断言している。

「MLSは以前から、彼(ソン・フンミン)のような選手の獲得を続けている。しかし、日本やカタールでの事例を経て、今ではサウジアラビアでもそうした補強が機能していないことが証明されている。彼らを獲得することはリーグを向上させるものではないし、何よりも国内選手の底上げには繋がらない」

 MLSでは2007年にデイビッド・ベッカムがロサンゼルス・ギャラクシーと巨額契約を交わして以来、数多のスター選手たちの受け皿になってきた。しかし、そうした選手たちは、いずれもキャリアの最盛期を過ぎている場合が大半でもある。

 ゆえにルブーフ氏は、期待されるソン・フンミンのMLS参入にも懐疑論を口にする。

「将来的にMLSをより強く、競争力のあるリーグにするためには、スター選手のイメージ性に頼るのではなく、国内のタレントに依存すべきだ。そこが間違っている。なぜなら、スター選手に頼る手法は、長期的には機能しなくなるからだ。国にとって何ももたらさない……。文化を築くことも、より良いサッカーを築くこともできないのだ」

 ノースロンドンで愛された偉才の行く末は、いかなるものになるのか。その動静は国際的な関心を集めている。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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