◇国内男子◇リシャール・ミル チャリティトーナメント 最終日(3日)◇能登カントリークラブ (石川)◇7142yd(パ…
◇国内男子◇リシャール・ミル チャリティトーナメント 最終日(3日)◇能登カントリークラブ (石川)◇7142yd(パー72)◇晴れ(観衆2126人)
後半13番のティイングエリアでリーダーボードを確認した池村寛世は「(河本)力が気持ち良くゴルフしているなーって。脅かされれば…」と同組の米澤蓮と話した。そんな目論見通り13番でバーディを奪うと、14番(パー5)でイーグルを奪い、この日初めて首位に浮上。チップインを決めた15番、約6mを沈めた16番の連続バーディで一気に優勝へと駆け上がった。
1イーグル、6バーディの「64」で後続に2打差をつける通算24アンダー。鮮やかな逆転で2022年「ASO飯塚チャレンジド」以来の3勝目を手にした。この数年は、とにかく最終日にスコアを伸ばすことが課題だった。昨年「日本オープン」では、首位で迎えた最終日に「78」をたたく大ブレーキ。「いい位置にいる最終日に伸ばせずに終わっていて。今年はトレーナーさんと話して、体力アップしようとしたのがすごく良かった」と克服に励んできた。
体力をつけるのに取り入れたのは有酸素運動。「心拍数を150以上に上げてから何分走れるか。最初は最低でも20分は走るようにと言われて、そこからいま40分くらい走れるようになった。最終的には1時間ぐらい走れたら」と練習日や試合のない日に体を追い込んだ。
昨年5月26日には、婚約を発表していた妻・琴音さんと籍を入れた。コースでキャディを務めるのみならず、転戦中の食生活も支えてくれている。「本当に恵まれているなって。結果で返すことしかできないので今年は絶対に勝ちたいと思っていた」。優勝に届かない最終日へのもどかしさも長く共有してきただけに、喜びもひとしおだ。
日本とアジアンの両ツアーを戦う今季は、まだ成し遂げていない複数回優勝を目標に掲げる。LIVゴルフ参戦にもつながるアジアンツアーでは、開幕戦の1月「フィリピンオープン」の2位以外は成績が振るわず、年間ポイントレースでは34位にいる。「シードが厳しかったらアジアンをメインにするかもしれないけど、(優勝により)日本の賞金王やPGAとの共催(10月ベイカレントクラシック)へのチャンスも出てきたと思うので出られる試合はどんどん出ていきたい」と話した。
ラウンド中は「ネガティブ」という池村にとって、ポジティブな性格という愛妻は何よりの「力強い味方」。これからも足並みを揃えて挑み続ける。(石川県宝達志水町/石井操)