ミラーはカージナルス戦に登板し、無失点に抑えた(C)Getty Images MLBは現地時間7月31日にトレード期限を…

ミラーはカージナルス戦に登板し、無失点に抑えた(C)Getty Images
MLBは現地時間7月31日にトレード期限を迎え、今年も多くの駆け込み移籍がみられた。トレード候補に挙げられていたオリオールズの菅野智之ら、日本人選手の移籍はなかった。各リーグの勢力図を一変させかねない大物も数多く動いた。スポーツ専門局『ESPN』では、メジャー30球団のトレード期限での補強具合を採点。勝者と敗者に分けて紹介した。
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「最大の勝者」に挙げたのはマリナーズだった。ダイヤモンドバックスから、大谷翔平とナ・リーグ本塁打王争いを繰り広げていたユジニオ・スアレスを獲得。ダイヤモンドバックスからは強打の一塁手ジョシュア・ネーラーも獲得した。チームには本塁打メジャートップを走るカル・ローリー捕手がおり、両リーグの本塁打ランキング上位の大砲が2枚そろうことになる。
2002年以降、ポストシーズンに進出できたのは地区シリーズで敗退した2022年の一度だけ。長い低迷を続けるが、今季は8月2日現在で59勝53敗のア・リーグ西地区2位につけており、地区首位アストロズとは3.5ゲーム差と手の届く位置にいる。球団として勝負をかけるシーズンとなる。
次いで「勝者」としたのがパドレス、フィリーズ、メッツ、アストロズ、アスレチックス、ヤンキースの6球団だ。特にパドレスは期限最終日に5件のトレードをまとめて計8選手を補強した。アスレチックスからは快速守護神のメーソン・ミラー、オリオールズからはライアン・オハーンとラモン・ロレアノと計算できる中堅野手を獲得。こちらも61勝50敗のナ・リーグ西地区2位で、首位ドジャースとは3ゲーム差。昨年、終盤まで争った末に地区優勝を譲り、最終第5戦までもつれた地区シリーズでも屈した宿敵ドジャースに対し、並々ならぬ執念を燃やしている。
「最大の敗者」となったのがツインズで、ベンチ入り26人枠のうち10選手を放出した。カルロス・コレア、ヨアン・デュラン、タイ・フランスら実績のあるスターも多く、チームは再建モードに突入。今後数年はプレーオフを狙うというよりも、若手の育成に力を注ぐことになる。
「敗者」に挙がったのがカブス、レッドソックス、レッズ、タイガース、ブルワーズの5球団だった。カブスは数名の補強はあったが「ブルワーズとナ・リーグ中地区の首位争いの渦中にあるのに、驚くほど動かなかった」と指摘した。レッドソックスはドジャースからダスティン・メイを獲得するなどしたが「同地区の他球団がインパクトのある補強をしたのに比べれば見劣りする」と評された。
日本人選手自体の移籍はなかったが、所属チームは大なり小なりの変化を加えた。後半戦、新戦力たちがどのような融合をはかっていくのか。残り50試合ほどとなり、いよいよレギュラーシーズンが佳境を迎える。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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