Q1敗退に苛立ちを爆発させた角田。その矛先は陣営にも向けられた(C)Getty Images 苛立ちは募った。現地時間8…

Q1敗退に苛立ちを爆発させた角田。その矛先は陣営にも向けられた(C)Getty Images
苛立ちは募った。現地時間8月2日、F1の今季第14戦、ハンガリーGPの公式予選がブダペスト郊外のハンガロリンクで行われ、レッドブルの角田裕毅は16番手でフィニッシュ。まさかの1回目(Q1)での敗退となった。
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接戦の中で残酷な結果が待っていた。Q1のラストアタックで1分15秒899を叩き出した角田は、6番手につけていたエースドライバーのマックス・フェルスタッペンとも、わずかに0秒163差。上位15人が勧めるQ2も目前にしていた。
だが、ここから事態は暗転する。姉妹チームのレーシングブルズに所属する俊英、アイザック・ハジャーをあっという間に上回ると、そこから7台のマシンが角田のタイムを凌駕。最後は今年4月にレッドブルからシート交代となった元同僚のリアム・ローソンにも追い抜かれ、16番手に落ちた。
わずかQ2進出圏の15番手とは0秒024差。ほんのわずかな時間で「結果」を出せなかった理由は何か。F1公式サイトのフラッシュインタビューに応じた角田は、3戦ぶり4度目のQ1敗退の原因を語っている。
「ただ滑っているだけで、通常得られるグリップがまったくない。この週末はチームとして苦戦を強いられた。その状況でもパフォーマンスを最大限に引き出そうと試みたが、とにかく遅い。おそらく僕たちのマシンに完全に欠落している何かがある。週末の間にそれを見つけるように努めたが残念ながらできなかった」
やはりマシン整備に原因があったのか。そもそも低速なハンガロリンクと、操作困難とされるレッドブルの『RB21』は根本的に相性が悪いとされているのだが、今回はさらに陣営の“ミス”も起きていた。
というのも、角田は公式予選に先駆けて行われたFP3のタイム計測をセッティングがロングラン用であったことを理由に中止。担当レースエンジニアのリチャード・ウッド氏に、無線を通じて、「アンダーステアがひどくなった。これまでと全然バランスが違う。こんなの馬鹿げてるよ。あと後ろからクルマが来ているのをちゃんと教えてくれ! もう目を覚ましてくれよ!」と怒声を浴びせている。
ハンガロリングとの相性の悪さに加え、陣営によるマシンの整備不良。無論、それだけが理由ではないが、こうした課題が重なったのは、0秒024の差を生じさせた要因と言えよう。
実際、角田はF1公式サイトのフラッシュインタビューで、陣営の振る舞いに強く言及している。
「FP3に対する準備がまったく不十分だった。完全に僕たちがコントロールできたはずなのに、それでもミスが起こってしまった。このような緊迫したセッションで、ミスは大きな影響を及ぼす。起こってはいけないミスだった」
現地時間3日に迎える決勝は16番手からのスタートとなる角田。上位陣の状態に加え、オーバーテイクの少なく、「退屈」と揶揄されるハンガロリンクでポイント獲得圏内に食い込むのは容易ではないが、果たして――。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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