全国高校総体(インターハイ=読売新聞社共催)は2日、新たにローイング(ボート)、ホッケー、カヌー、ソフトボール男子が始…

 全国高校総体(インターハイ=読売新聞社共催)は2日、新たにローイング(ボート)、ホッケー、カヌー、ソフトボール男子が始まり、計11競技が7道県で行われた。サッカー男子決勝で神村学園がPK戦までもつれ込んだ末に競り勝ち、初優勝を果たした。

 サッカー男子決勝で、神村学園は、大津(熊本)との九州勢対決を制し、初優勝した。昨年、準優勝に終わった雪辱を果たし、有村圭一郎監督は「地元の方に支えてもらい、最後まで戦い抜くことができた」と喜んだ。

 試合は序盤からレベルの高い攻防が続く展開。49分に失点し、不穏な空気が流れる中、終了間際にDF竹野楓太選手(2年)のクロスをFW日高元選手(3年)が「前半は力んで外してしまったが、監督にリラックスしてシュートしろと言われたので、それが良かった」と冷静に流し込んで、延長戦に持ち込んだ。

 延長10分、途中出場のMF細山田怜真選手(3年)がこぼれ球を強烈な右足シュートでゴールし、一歩リード。細山田選手は「振り抜くだけだった。結果を残せて、うれしい」と喜んだ。延長12分に同点とされ、迎えたPK戦では1番目の選手が外して、窮地に追い込まれる中、GK寺田健太郎選手(3年)が「焦りはなかった。タイミングを合わせることができた」と相手4番目のキックで右にジャンプし、ビッグセーブ。相手8番目の選手が外し、神村学園が決めたことで勝利をものにした。

 決勝の大舞台で好セーブを連発した寺田選手は、昨年はベンチ外といい、鹿児島で中継を見ながら、悔しさを味わった。チームの公式戦ユニホームを管理する大役を任されて「責任感が増し、大きく成長できた」という。寺田選手は「ヒーローになる準備はできていた。この一年でサッカーだけではなく、人として成長できた」と喜びに浸った。