2025年7月27日、明治安田J1第23節、浦和レッズ対アビスパ福岡の試合が埼玉スタジアム2002でおこなわれた。試合…
2025年7月27日、明治安田J1第23節、浦和レッズ対アビスパ福岡の試合が埼玉スタジアム2002でおこなわれた。試合は0-0の引き分けに終わった。浦和のフォーメーションは「4-2-3-1」の中盤は三角形になる。一方の福岡のフォーメーションは「3-4-2-1」の最終ラインはスリーバックである。
■湘南戦で負傷交代「エースの代役」
浦和は、7月23日の明治安田J1第21節の湘南ベルマーレ戦からスタメンを3人変更してきた。
まず左サイドバック(以下、SB)の長沼洋一に代えて荻原拓也、次にワントップの小森飛絢をチアゴ・サンタナに、さらに湘南戦で負傷交代となった渡邊凌磨がメンバーに入らず、松尾佑介を起用する。
このスタメンで最も注目されたのはチアゴ・サンタナを頭から使ったことだろう。注目が集まる理由は、4月6日の第9節の福岡戦以来のスタメン出場となったからである。
一方の福岡は、7月21日の第24節の京都サンガF.C.戦からスタメンを2人代えてきた。右ウイングバック(以下、WB)に湯澤聖人を、右のボランチに重見柾斗が5試合ぶりにスタメンで使われる。
なお、試合を詳細に分析するために、試合のダイジェストにしたがって話を進めていく。読者の皆さんは、今回は試合の前半をピックアップして解説するので、以下のDAZN公式ハイライト最初のほうを見て、プレーの詳細部分を確認してほしい。https://www.youtube.com/watch?v=hkL2yPgosPg
【15分の安居海渡のロングシュートの場面】
福岡のパスミスから生まれた浦和MF安居海渡の美しい弾道のシュートだったのだが、まずはサンタナが福岡の松岡大起にボールを奪われる。浦和はバイタルエリアに4人の選手がいて、なおかつ自陣内には4人がいて合計8人が攻撃のために前がかりになっている。福岡にとっては、カウンターアタックのチャンスが芽生える。
■足りなかった「状況の見極め」
左サイドしか見ていなかった松岡が、左にいる選手に出したパスを、安居にインターセプトされる。ここで松岡は「カウンターのチャンスだ」と判断したから、自分から一番近い選手にパスを出した。
しかし、状況からすれば、右サイドにはフリーな選手が2人もいる。彼らのどちらかにパスを出してもいいし、松岡自身がドリブルをして相手を崩しに行ってもいい。
瞬時の判断は確かに難しいのだが、首を振って状況を見極めなければならないシーンだった。
【35分の碓井聖生のシュート場面】
この場面、なぜ福岡のフォワード(以後、FW)碓井聖生がディフェンスラインをフリーで抜け出せたのか、という問題が出てくる。
浦和ディフェンスがいともたやすく相手FWに裏を取られているのはなぜなのだろうか?
ここでは、2つのミスが起こっている。まず、ダニーロ・ボザがトラップしようとしてボールに触れなかったことがある。
次に、マリウス・ホイブラーテンの立ち位置に注目してほしい。彼だけがディフェンスラインから外れて下がって構えている。
もし、左SBの長沼と右センターバック(以後、CB)のボザの間にポジショニングしていれば、碓井はオフサイドになっていた。
ただし、ボザがトラップミスをしていなければ、何の問題もないシーンである。
続く記事後半では、松尾佑介のシュート場面から分析していこう。