世界中のファンが、選手が、スタッフが、固唾を呑んでその時を待つ。11月2日(木)、ラグビーワールドカップ2019日本大会の試合日程がついに発表される。都内で行われる試合日程発表会では、全国12会場における全48試合の対戦カード、またチケット販売概要も明らかになる。

決勝戦のちょうど2年前となるこの日を境に、本大会へ向けた各代表チーム、開催12都市の準備が加速することになる。11月2日は、準備という名の戦いが再スタートする日でもある。

当日発表される重要な情報の中で、とりわけ世界的に注目されるのは、全40試合あるプール戦の試合日程だろう。

ラグビーワールドカップ2019日本大会のグループステージでは、参加20チームが4組に分かれて総当たり戦を行い、各組上位2チームが8強による決勝トーナメントへ進出する。

 

前例によれば期間は約3週間で、平日に試合を組み込みながら40試合を消化する。多くのチームが不規則な間隔でプール戦4試合を戦わなければならず、まさに非日常の過酷な戦いとなる。だからこそ、各チームはコンディション維持に有利な、余裕のある日程を望む。

ただラグビーワールドカップでは、試合間隔が中3日の“強行軍”もけっして珍しくはない。

前回の2015年ワールドカップ。南アフリカ代表から歴史的勝利(○34-32)を挙げた日本代表が、中3日で迎えた第2戦でスコットランド代表に大敗(●10-45)したことは記憶に新しい。

過去を振り返れば、2007年ワールドカップで、日本代表は中3日でフィジー代表(●31-35)と、中4日でカナダ代表(12-12)と戦っている。そんな過密日程による疲労を考慮し、指揮官を務めたジョン・カーワン ヘッドコーチ(HC)は“2チーム制”を敷いて本大会に臨んだ。

ラグビーワールドカップにおける試合日程は、指揮官にそんな苦肉の策を強いることさえあるのである。世界中のファン、選手、スタッフが大きな関心を寄せるのも当然だろう。

 

では、ラグビーワールドカップ2019日本大会における日本の試合日程はどうなるのだろうか。

2017年5月10日に京都迎賓館で行われた「プール組分け抽選会」の結果、日本代表はアイルランド代表、スコットランド代表と同じプールAに入った。ヨーロッパ地区1位チームと、ヨーロッパ・オセアニア地区プレーオフ勝者(ヨーロッパ地区2位チーム対サモア代表)も同組となる。

日程が決まれば最善の準備をするより他ないが、やはり強豪であるアイランド代表、スコットランド代表との“過密連戦”は避けたいところだ。

南アフリカ代表、スコットランド代表と中3日で連戦した前回大会では、エディー・ジョーンズ前日本代表HC(現イングランド代表HC)も負荷を与えて2015年のアジアラグビーチャンピオンシップを戦うなど、“中3日”へ向けた準備を重ねた。しかし結果は前述の通り。各国代表が死力を尽くすラグビーワールドカップで、しかも強豪相手に死闘を演じた4日後にハイ・パフォーマンスを披露することは難しい。

日本代表にはリベンジ達成の期待もかかっている。アイルランド代表には2017年6月のテストマッチで2連敗、そしてスコットランド代表は、前回大会で日本代表が唯一敗戦を喫した相手である。ファン心理としては余裕のある日程、もしくは初戦で雪辱戦に臨む日本代表を見たいはずだ。

 

試合日程だけでなく、同時に試合会場も大きなインパクトを与えることになる。

グループステージの日本代表戦全4試合はどこで行われるのか。全国の大規模会場に分散されるのか、それとも一極集中か--。

また世界的に人気のニュージーランド代表“オールブラックス”は、どの都市に登場するのか。ラグビー最強国の“本気”を間近で目撃することのできるチャンスを逃す手はない。

また、日本代表前指揮官であるエディ・ジョーンズHC率いるイングランド代表も、行く先々で人気を集めそうだ。前回大会で開催国初のグループステージ敗退を喫したイングランド代表を、ヘッドコーチ就任直後からテストマッチ18連勝に導いた名将は、4年に1度の本番でどんな指揮を見せるのか。そしてまたピッチ外では、その発言で相手にどんな心理戦を仕掛けるのか。

そんな想像をしながら具体的な観戦計画を練ることができるのも、日程、会場、対戦カードが判明する11月2日ということになる。

 

同日にはチケット価格、販売期間、販売方法などのチケット販売概要も公表される。チケットは2018年初旬から、公式チケットサイトを通じて販売される予定だ。チケットの購入には 公式チケットサイトから「チケットID」への登録が必要となる。

ラグビーワールドカップ2019日本大会の開催が決定したのは、日本時間2009年7月28日の夜。

 

あの日から約8年が経ち、いよいよ試合日程発表の日を迎えることとなった。11月2日のニュースは瞬く間に世界をめぐるだろう。果たして開催国である日本にもたされるのは、安堵だろうか、苦悩だろうか。それとも--。

(文・多羅正崇)