トレード期限の最終日に他球団へと移籍したメイとアウトマン。彼らの放出の一方でドジャースは地道な補強に終始した(C)Get…

トレード期限の最終日に他球団へと移籍したメイとアウトマン。彼らの放出の一方でドジャースは地道な補強に終始した(C)Getty Images
激動のトレードデッドラインにあって、“銀河系軍団”は適材適所の補強を完遂させた。
現地時間7月31日、メジャーリーグはトレード期限最終日を迎え、各球団間で交渉合戦が繰り広げられた。
複数の有望株を含む計14人を見返りに剛腕守護神メイソン・ミラー(←アスレチックス)やライアン・オハーン(←オリオールズ)など“オールイン”の大型補強を成功させたパドレスを筆頭に、大物選手をやり取りする動きが目立った中で、比較的に“地味”な補強に終始したのはドジャースだった。
この最終日に向けては、巧打の外野手スティーブン・クワン(ガーディアンズ)や、剛腕守護神ライアン・ヘルズリー(カージナルス→メッツ)など有力選手の獲得も囁かれていたドジャース。しかし、実際に獲得した即戦力は、救援右腕ブロック・スチュワート(←ツインズ)や、外野手のアレックス・コール(←ナショナルズ)のみ。一方でダスティン・メイ(→レッドソックス)やジェームズ・アウトマン(→ツインズ)など実績のある選手を放出している。
故障者が相次いでいる投手陣のテコ入れも、平均球速96.1マイル(約154.7キロ)を投げる剛腕スチュワートだけと不安は否めない。話題性をとっても「地味」と見えるドジャースの補強は、現地メディアでも厳しい評価を受けている。米メディア『The Athletic』は、今夏のトレードにおける勝ち組と負け組を仕分けする企画記事において、“銀河系軍団”を、売り手市場に回ったツインズやダイヤモンドバックスと並ぶ「LOSER(負け組)」に据えている。
もっとも、球団幹部にとっては明確な意図がある。トレード市場が締め切りを迎えた直後、「かなりシンプルで、目立たないトレード最終日だった」と記した日刊紙『Los Angeles Times』など複数の米メディアの取材に応じたブランドン・ゴームズGMは、「このグループには本当にタレントがいる」と力説。一連の補強動静を次のように総括している。
「今年に入ってから、我々はこれまでで最も才能豊かなメンバー構成が出来たと感じていた。もちろん、今も(ナショナル・リーグ西地区で)首位に立っているが、まだ最高の野球をプレーしたとは思っていない。
そのためには、何人かの先発投手が(故障から)戻ってきた上で、新たな選手を加え、今いる選手たちがポテンシャルを発揮すれば、このチームは依然として非常に強力なチームだと言える。そして、私たちの目標は、シーズン開始時と何ら変わっていない」
8月中の戦線復帰が見込まれるブレイク・スネルと佐々木朗希など、豊富にいる現有戦力に賭ける選択をしたドジャース。その決断をしたゴームズGMは、こうも続けている。
「我々は、常に、今いるメンバーと私たちが求めるニーズがどのように調和するかを重視している。非常にハイレベルな才能を持つ選手たちで臨んだ今シーズンは、エヴァン(フィリップス)を失ったことを除けば、その状況に大きな変化はない。このチームは非常に才能に恵まれた集団であり、選手たちが通常のコンディションを取り戻し、踏み出せるようになれば、10月も戦い抜ける絶好のポジションにあると感じている」
果たして、首脳陣の決断はいかに作用するのか。ワールドシリーズ連覇を目指すドジャースの戦いから目が離せない。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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