緊張感もあった殿堂入り表彰。「とにかくもう、スピーチのプレッシャーで押しつぶされそう」と話した場でイチロー氏は堂々と振る…

緊張感もあった殿堂入り表彰。「とにかくもう、スピーチのプレッシャーで押しつぶされそう」と話した場でイチロー氏は堂々と振る舞った(C)Getty Images

 ウィットに富んだスピーチは、興味津々で見守った大衆を笑わせ、そして「だから殿堂入りしたのだ」と納得もさせた。発信者となったのは、現地時間7月27日に米ニューヨーク州クーパーズタウンで米野球殿堂入りの表彰式典に参加したイチロー氏(マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)だ。

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 19分間に及んだスピーチは、すべて英語で実施した。イチロー氏自らが「僕にとってはものすごい高いハードルでしたけど、そこ(英語活用)に迷いはなかった」と決意して発信した内容は、“コミカルなジョーク”も交えつつ、自分がどのように異国の壁を乗り越えてきたかを大衆に伝えるには十分すぎるものだった。

 日本列島でも小さくない話題を生んだスピーチは、英語を母国語とする人々をも唸らせた。MLB公式ネット局『MLB Network』の番組「MLB Now」で司会を務めるブライアン・ケニー氏は「時には異文化から来た人間が、そのスポーツのあるべき姿を示すことが必要だと思った」と指摘。スピーチで「批判や否定的な声もたくさんありました。『国の恥になるなよ』とまで言われたことだってあります」と言及したイチロー氏の言葉を称えた。

 また、米メディア『The Athletic』などで執筆するジャーナリストのジェイソン・スターク氏も同番組において「私はイチローのスピーチに圧倒された。信じられないような素晴らしい内容だった」と絶賛。そして、こう褒めちぎった。

「あれは殿堂入り表彰のスピーチの中でも歴史に残る傑作の一つだ。彼は母国語ではない言葉を使ったんだ。それなのに彼の面白いセリフはすべてが特別なように思えた」

 では、この多くの人々を驚かせた英語でのスピーチはいかにして作成されたのか。その舞台裏は、『MLB Network』の番組内で、イチロー氏が自ら次のように告白している。

「まずは日本語で準備をして、言いたいこと、伝えたいことを書きました。それを英語にするんですけど、その能力は妻がすごく高かった。彼女は妻でもあり、“編集長”でもありました。すごく助かりました」

 周囲の協力を得ながら完成させた天才のスピーチ。その内容は歴史に残るものとして語り継がれていく。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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