盤石のチームを作り上げた藤川監督。この新人監督の下、阪神はセ・リーグ首位を独走している(C)Getty Images 猛…

盤石のチームを作り上げた藤川監督。この新人監督の下、阪神はセ・リーグ首位を独走している(C)Getty Images

 猛虎の勢いは、真夏に入って増している。

 7月30日に本拠地・甲子園で行われた広島戦で阪神は5-0と完封勝ちで、怒涛の4連勝。4位の中日が巨人に敗れたため、マジック「39」が点灯した。

【動画】64キロがストライクゾーンに…村上頌樹の超スローボールをチェック

 春先から投打共に安定したパフォーマンスを示し、ついにマジックが点灯。阪神は新任の藤川球児監督の巧みなチームマネジメントの下、骨太のチームへと進化している。

 とりわけ圧巻なのは、鉄壁の投手陣だ。

 チーム防御率は12球団トップの1.93を維持。現在、先発ローテーションにいる全員が防御率1点台という前代未聞の成績を残している。この広島戦で防御率1.99に刻まれた村上頌樹を筆頭として、才木浩人(1.52)、ジョン・デュプランティエ(1.37)、大竹耕太郎(1.78)、伊原陵人(1.59)、伊藤将司(1.03)の並びは圧巻。ここに今月に1軍復帰した高橋遥人、2軍で防御率1.13を記録しているジェレミー・ビーズリーが控えているのも興味深い。

 一方で打線も盤石だ。リーグ二冠王に君臨する佐藤輝明をはじめ、近本光司、中野拓夢、森下翔太、大山悠輔、坂本誠志郎などドラフトからの叩き上げメンバーが好調を維持。現時点で大きな穴は見られない。

 セ・リーグの貯金を独占し、独走態勢を確固たるものとしている藤川阪神の快進撃は、海を越えた話題ともなっている。韓国のスポーツメディア『OSEN』は「前代未聞だ。日本のセ・リーグで1位に立つ阪神の猛烈な勢いは止まる気配がない」と強調。2位巨人とゲーム差を11にまで広げ、勝率.620を保っている現状を「今では彼らと同じぐらいに競り合えるチームもいない。2位の巨人ですら虚構だ」と論じている。

 さらに防御率1点台の投手が居並ぶ鉄壁の投手陣を「まさに難攻不落。相手は息が詰まるほどの苦戦を強いられ、1点を奪うことすらも簡単ではない」と絶賛した同メディアが、さらに褒めちぎるのは、藤川監督のマネジメント力だ。

 指導者経験がなかった藤川監督のキャリアについて「阪神が誇るフランチャイズ・スターだったが、指導者としては未知数。コーチ経験すらもない人物だったからだ」と伝えた『OSEN』は、時に“懲罰交代”も辞さない卓越したリーダーシップを称えている。

「就任当初から『強硬策』とも取れる管理体制を整えた藤川監督は、優れた掌握力を発揮している。選手たちの不満が噴出するリスクもあった。さらに世論も楽観できない時代でもある。しかし、彼は動じなかった。そして、グラウンド上では徹底的に選手の『味方』となった。広島戦では相手のデッドボールに真っ先にベンチを飛び出したこともあった。そんな40代の次世代監督が強調するキーワードは2つだ。『凡事徹底』と『何事にも集中すること』である」

 夏場も疲れ知らずで走り続ける阪神。ライバルを圧倒する強さを止める術はあるのだろうか。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

【関連記事】阪神11差独走…元投手コーチの名伯楽がバッサリ「もう阪神には勝てませんね。今の野球をやっている限り、あとの5球団は」

【関連記事】「なんでそんなに優しいの?」 阪神31歳捕手が球宴の裏で見せた"気配り"に反響止まらず 後半戦も完封アシスト、猛打賞と攻守に大活躍 「1番泣けました」

【関連記事】食事会場でも「見てる」 阪神の歴史的強さを支える捕手・坂本誠志郎が“最強投手陣”から愛される理由「坂本は配球の天才」