全国高校総体(インターハイ=読売新聞社共催)は30日、レスリング男子やソフトテニス女子、ボクシングなどが行われた。津波…

 全国高校総体(インターハイ=読売新聞社共催)は30日、レスリング男子やソフトテニス女子、ボクシングなどが行われた。津波警報の発表により、北海道でのサッカー女子2回戦は中止になり、福島県で行われていたサッカー男子準々決勝は中断された。いずれも31日に順延となる。

 奈良県勢は、ボクシング・ライトフライ級で王寺工の上窪聖選手が2回戦を突破した。

「自由に動けた」

 開始のゴング直後、1メートル61の小柄な体から放たれた鋭い左ストレートが相手の顔面を捉え、立て続けに2度のダウンを奪った。わずか1分ほどでレフェリーが試合を止め、幸先よく初戦を突破した。「リングの感触を確かめられた」と次戦以降を見据える。

 4歳から始めたキックボクシング仕込みの細かなステップが持ち味。中学1年からは「パンチの技術をつけよう」と、兄の 星しょう さんが所属していた王寺工のボクシング部で指導を受けた。すぐに頭角を現し、全国優勝も経験。世界王者をはじめとする部のOBに憧れ、「将来は五輪代表に」とボクシングに専念した。

 高校でも飛躍を期した昨年の総体、今春の全国選抜大会は3位止まり。2年からはピン級(46キロ以下)から1階級上のライトフライ級(49キロ以下)に上げ、さらなる高みを目指す。これまで減量の影響から得意の足さばきが発揮できないことが多かったが、「今日は前後左右、自由に動けた」と手応えをつかんだ。「そろそろ1位を取りたい。銅メダルコレクターは返上する」と誓う。(東川直央)