クラブ契約フリー・岩崎亜久竜が選んだ最新14本「GT3×PT」の狙いは？

◇国内男子◇リシャール・ミルチャリティトーナメント事前◇能登カントリークラブ (石川)◇7142yd（パー72）今…

◇国内男子◇リシャール・ミルチャリティトーナメント事前◇能登カントリークラブ (石川)◇7142yd（パー72）

今シーズン国内ツアー8試合で予選落ちゼロと安定したプレーをみせている岩崎亜久竜。クラブ契約フリーとなり、自由に使いたいクラブを使えるようになったことも、プラスに働いているようだ。契約に縛られることなく選んだ14本が気になるところ。キャディバッグの中身をのぞいてみた。

ドライバーはタイトリスト GT3を選んだ。理由を聞けば、開口一番「カッコ良かったから」。ニヤリとしておどけたが、実はタイトリストのクラブに思い入れもあったという。「学生時代のドライバーは『917 D3』、アイアンは『718MB』を使っていました」。契約フリーとなり、真っ先に打ったのも同社のヘッドだった。「3」を選んだのは、扱いやすさを重視したチョイスだ。「アイアンの感覚で打てる。低い球を打ちたい時に、上から打っても変な動きがないですし、球の高さと横の曲げ幅のコントロールもしやすい。ラウンドしていて気持ちがラク」

シーズン途中の5月「日本プロゴルフ選手権」で装着するシャフトも替えた。長らく使っていた藤倉コンポジット VENTUS BLACKから、グラファイトデザインツアーAD PT（7X）にスイッチ。クラブを組んでもらっている人物からのアドバイスが見事にハマったと感謝する。「黒ベンタスも曲がらなくて良かったんですけど、高いドローを打ちたい時に、自分のパワーだとやり切れない時がありました。フェード系一辺倒から、両方の球を打ち分けられそうな雰囲気が出ました」。ちなみに学生時代は、三菱ケミカルディアマナの赤系統のシャフトを使っていたそうだ。

同じ週にスリクソン ZXi ユーティリティアイアンもセッティングに加えた。3年前にも使っていたスリクソンのアイアン型ユーティリティに対する好印象が残っており、最新モデルを試して投入を即決した。「最近、飛ぶユーティリティが多い中では、いい感じに飛ばないんですよね。ちょっと悪いライのパー5のセカンドで使うことが多く、ライを問わずグリーンで止められそうなんです。吹けた球も打てるし、ティショットでも打てるし、風が強い時も行ける。もちろん飛ばすこともできて、高い球で距離をコントロールすることもできる」とまさに万能選手を見つけた。

アイアンはフリーになってもテーラーメイド P7MBが替えられない。「構えた時の顔が、どの番手もいいんです。変なのがない」と見た目にほれている。さらに「マッスルバックらしく、操作性が良くて打感がいい」。かれこれ3年近く使っている。

3本体制のウェッジはタイトリストボーケイSM10で、全てSグラインド。出会いは運命的だった。「中古クラブで見つけたボーケイがたまたまSグラインドだった。思わず、『このソールいい！』ってハマりました。ちょっとバウンスがあるのが、日本の芝だとちょうどいい。ソール幅は狭いので、ちゃんと開けますしね。地面が硬い海外などでは別のソールも考えます」

スコッティキャメロンニューポート2のプロトタイプパターはツアーに出始めた時から使っているもの。「これだけは替えられない」と話す通り、ほかのモデルを試すことはあってもすぐ“エース”に戻してきた。「長く使っている安心感、顔の良さ…総合的にバランスがいい。自分は上から見た時に線が入っていると“真っすぐ”が分からなくなるので、点だけ打ってもらっています」と、トップブレードの上に黒いドットが記されている。

ボールも今季から学生の時に使っていたというタイトリストプロV1xへ。「パッティングの打感が硬い方が好きなんで、迷わず『x』を選びました。スピンも入るし、打感もいい。ショットは風の影響を受けずに打てる。フリーになって、ボールはタイト一択でした」。こだわりを詰め込んだ納得の組み合わせでツアー3勝目を狙っていく。