今年のアイビスサマーダッシュは開幕週ではなく、2週目に開催される。直近で2週目に行われたのは12年。大ベテランの安藤…

 今年のアイビスサマーダッシュは開幕週ではなく、2週目に開催される。直近で2週目に行われたのは12年。大ベテランの安藤勝己騎手を背に、パドトロワが制した一戦を振り返る。

 この年のアイビスSDはビウイッチアス、アフォード、ハクサンムーンと、重賞初制覇を目指す馬が上位人気に推された。そんな中、こちらも初タイトルを狙っていたのが7番人気のパドトロワだった。既にオープン2勝の実績があり、前年のスプリンターズSは2着。GI級の能力を示していながら、なぜか重賞には手が届いていなかった。

 レースは内寄り3番枠のハクサンムーンがダッシュを利かせて、馬場のど真ん中を逃げた。これに外ラチ沿いで続いたのがエーシンダックマン。しかし、ともに残り200mから脚色が鈍くなる。代わって浮上したのがパドトロワ。安藤勝己騎手の左ムチに応えて脚を伸ばし、残り100mで先頭へ。そのまま後続を突き放し、悲願の初タイトル獲得となったのだった。これで勢いに乗ったパドトロワは、次走のキーンランドCも制覇。この年のサマースプリント王者に輝くこととなる。

 ちなみにパドトロワは函館スプリントSからの転戦だった。函館スプリントS組はアイビスSDが開幕週の場合、26頭が出走して1勝のみ。対照的に2週目の場合は7頭が出走して3勝と好成績を残している。今年の該当馬はウイングレイテスト。そういった視点でも注目の一戦となる。