カタールで夏季五輪開催となれば、日程調整は必須になりそうだ(C)Getty Images 今月22日、カタール・オリンピ…

カタールで夏季五輪開催となれば、日程調整は必須になりそうだ(C)Getty Images
今月22日、カタール・オリンピック委員会が2036年夏季五輪招致に向け、国際オリンピック委員会(IOC)との協議に入ったことが報じられた。すでに2036年大会にはアジア、南米、アフリカなど各大陸、地域の国々が招致を検討していると伝えられる中で、カタールも事実上、五輪ホスト国に名乗りをあげたことになる。
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過去にもサッカーW杯や陸上世界選手権など、スポーツの大規模イベントを開催してきているカタール。その都度、懸念されてきたのが中東地域特有の「酷暑」であり、夏季に行われる五輪招致に関しても、今後、さまざまな問題をクリアしていく必要があることは確かだ。
近年、世界レベルのイベントを手掛けてきた実績を残しているカタールが、夏季五輪開催も可能なのか。オリンピック関連の情報を発信する英メディア『inside the games』が、同国における夏季イベントでの気候対策などについて見解を示している。
同メディアでは、2036年大会招致に向けカタール側が、「必要なスポーツインフラの95%がすでに整っている。すぐにでも開催可能」とうたったアピールを紹介するとともに、「招致委員会が乗り越えなければならないのは、五輪にとって新たに浮上している最大級の課題、気候問題だ」と主張する。
その上で、夏季五輪が開催される7、8月はカタールでは気温が日中で41℃にも達すると説きながら、「選手も観客も、極めて不快かつ危険な暑さにさらされる可能性がある」と訴えている。
だが一方で、2022年のサッカーカタールW杯が冬開催となり通常と時期を変更して行われたケースなどを挙げており、また、「東京2020では選手の熱中症が146件報告された」と振り返るなど、世界各国でも夏場の暑さがアスリートの妨げになっている点を強調。
加えて、「世界陸上は今年、東京の猛暑を避けるために例年より遅い時期に開催される」と説きながら、今後は世界全体で7月の五輪開催は困難になるものとして、「(競技各種での)大会スケジュールの見直しは、まもなく世界的なトレンドになるかもしれない」などと指摘している。
同メディアは、「つまり、カタールが真夏に理想的な環境を提供できないとしても、それはもはやカタールだけの問題ではなくなっているのだ」と結論付けている。地球規模での深刻な課題となり続ける気温の上昇は、今後スポーツ界においても、より真剣な議論が必要となっていくことは間違いないようだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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