ボスラーの一発をはじめ、この試合では4本の本塁打が生まれた(C)産経新聞社 竜党に10日ぶりの歓喜が訪れた。 中日は7月…

ボスラーの一発をはじめ、この試合では4本の本塁打が生まれた(C)産経新聞社

 竜党に10日ぶりの歓喜が訪れた。

 中日は7月29日、本拠地・バンテリンドームナゴヤで巨人と戦い、8-5で勝利。オールスター前から続いていた連敗が4で止まり、7月19日以来の白星となった。

【動画】ボスラーは来日初アーチもバンテリンだった、記念アーチシーンをチェック

■OBも指摘、飛ぶボール説

 この試合で特筆すべきことは、両軍合わせて4本塁打が飛び出したこと。中日がジェイソン・ボスラーと岡林勇希に1本ずつ出て、巨人はトレイ・キャベッジが2本かっ飛ばした。最も本塁打の出にくい球場の一つであるバンテリンDでは異常事態で、もちろん1試合における今季最多の本塁打数だ。

 そこでSNSを中心に指摘されていたのが、「飛ぶボールになっているのでは?」という説。この日ラジオ解説に入った中日OB・川上憲伸氏も指摘していたそうだ。

 上記の4本塁打以外にも、中日だと石伊雄太がキャベッジのグラブをかすめる左超え二塁打を放ち、巨人打線も複数の打球をウォーニングゾーンに運んでいる。平凡なフライでも物珍しさから(?)歓声が上がるバンテリンDにおいては、やはり異常事態と考えられてしまう。

 もちろん1試合だけでボールが飛ぶようになったかの真偽のほどは解明できないが、継続して見守っていく必要があるだろう。

■来季はホームランウイングで長打増?

 まだ自力優勝の可能性がある中で気の早い話だが、来季は29日のような試合展開が増えると予測する。言うまでもなく、来季からテラス型観覧席「ホームランウイング(仮称)」が設置されるためだ。

「ホームランウイング」設置に伴い、左中間と右中間で最大6メートル前にせり出し、フェンスの高さもグッと低くなる予定。そうなると必然的に本塁打が増える。

 加えて、今の中日は打撃型のチームへと変貌を遂げている最中。井上一樹監督もその旨を発言したことがある。細川成也やボスラーを軸に長打が増えていくことが想像される。

 一方で、勝つためにはしぶとく得点を重ねることも肝要だ。29日も4回の逆転劇は先頭の岡林が四球を選んだのがきっかけ。6回のダメ押し点も石伊のセーフティスクイズに加え、代打・鵜飼航丞が追い込まれながらも適時打を放ったものだった。

 中日にとっては、近い未来を先取りしたかのような1勝。この1勝が上位進出につながってくれることを祈るばかりだ。

[文:尾張はじめ]

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