全国高校総体(インターハイ=読売新聞社共催)は29日、新たにテニス、ボクシング、バレーボール男子、ソフトテニス女子、サ…
全国高校総体(インターハイ=読売新聞社共催)は29日、新たにテニス、ボクシング、バレーボール男子、ソフトテニス女子、サッカー女子が始まり、9競技が6県で行われた。
島根県勢は、陸上競技女子三段跳びで大田の福間璃子選手が7位に入った。バレーボール男子では、松江西が2連敗し、敗退した。
最後の夏を10人で駆け抜けた――。高校総体バレー男子で、47年ぶり2度目の出場となった松江西(松江市)は最後の総体となった。来年、バレー部がなくなるからだ。部員たちは力を尽くして、ボールを追った。
同校は就職に特化した教育方針に転換、4月には新入生を対象にした部活動の勧誘をやめた。バレー部は3年生7人、2年生3人のため、来年度からは試合に出場できなくなった。二岡謙心主将(3年)は「優秀な2年生ばかりなのに、途切れさせてしまって申し訳ない」とうつむく。
今年1月に行われた新人戦で安来(安来市)に9点しか取ることができなかった。チームは悔しさを共有し、100メートルの全力疾走と軽いランニングを10周繰り返すインターバルトレーニングで体力を強化、練習試合で実戦経験を積んでいった。
その成果は、6月の県予選で現れ、総体出場権の2位を確保した。1位の安来から1セット取ることができ、二岡主将は「チームとして成長できた」と手応えを感じた。
47年ぶりの総体出場で、部員たちの意欲もあがった。自主的にトレーニングルームに行く選手が増えていったという。
この日は、日本航空(山梨)と郡山北工(福島)と対戦。強い相手だったが、脚を動かしてボールを広い、粘り強くラリーを続けた。
観客席には、生徒や教職員、保護者ら100人を超える応援団が声援を送った。2敗したが、二岡主将は「勝ちたかったが、全国のレベルは高く悔しい。OBや保護者、学校関係者、自分たちに関わってくれたすべての人に感謝を伝えたい」。(辻楓)