◇女子メジャー最終戦◇AIG女子オープン(全英女子) 事前情報(29日)◇ロイヤルポースコール(ウェールズ)◇6580…
◇女子メジャー最終戦◇AIG女子オープン(全英女子) 事前情報(29日)◇ロイヤルポースコール(ウェールズ)◇6580yd(パー72)
人生を変えた6年前の「全英女子オープン」。「年々記憶はなくなっていくもので」と渋野日向子は語るが、最終日の18番でグリーンに上がるまでの時間はまだ記憶に残っている。「最後のパットよりは、歩いていく時の歓声の方が覚えているかもしれないですね。間違いなく、色んな人に知ってもらうきっかけだった試合だと思う」。思い出の大会で、再び流れを引き寄せられるだろうか。
初出場で初制覇した2019年から、7年連続7度目の出場となる。「6年も経てば、年も取る、色々変わる」と笑う。スポット参戦だった当時はメジャーを純粋に楽しめたが、結果を残したい気持ちは年々大きくなっていく。「毎週言っているけど“きっかけ”をつかみたい」。なかなか思うような結果を残せていないシーズンなら、その思いは一層強くなった。
今季は16試合を終えて予選通過は9試合、トップ10は「全米女子オープン」の7位のみだ。「もっと良い状態で(全英に)入りたかったと、毎年思っています」と話したが、前週「スコットランド女子オープン」では5試合ぶりに予選を通過(50位)。最終日に「持ち球のドローが出る回数が増えていたので、(2週前の)エビアンに比べたら『見ていられるな』っていうボールが多かった」と、ショットに手応えを感じながらウェールズに入った。
「ターニングポイントになるように、今週頑張らないとなと思っています」と表情を引き締めた。2019年大会の優勝以外では、22年の3位が最高位。23年からは2年連続で予選落ちと悔しい幕切れが続いた。「結果を残したい気持ちもありながら、焦りたくない気持ちもありますし。とりあえず、楽しみたい」と上位を目指しつつ、まずは思い出の大会の空気を味わいたい。
月曜と火曜に9ホールずつを回ってコースチェック。3週前のオープンウィークにも、9ホールを回って下見をしてきた。「(3週前は)風があまりなかったので、全然違う。きのう、きょうと風がすごく吹いているので、これ以上吹かないことを願いたいです」と強い海風を警戒する。ただ、この2年は「全米女子オープン」で優勝争いを演じるなど耐えるゴルフが求められる環境で強さを見せてきた。「1年の中で、自分が一番大事にしている試合でもあるので、頑張りたい」。薄れつつある6年前の記憶の中で、今も覚えている歓声を全英の地で再び浴びたい。(ウェールズ・ポースコール/谷口愛純)