張本(左)と大藤(右)のペアは、さらに成長する可能性を秘めている(C)Getty Images 卓球の国際大会「WTTコ…

張本(左)と大藤(右)のペアは、さらに成長する可能性を秘めている(C)Getty Images

 卓球の国際大会「WTTコンテンダー ブエノスアイレス」が現地時間7月27日に閉幕した。6日間の日程では男女シングルス、男女ダブルス、混合ダブルスの5種目で頂点が争われ、日本勢では、張本美和がシングルス、さらには大藤沙月とのコンビでダブルスを制している。男子でもダブルスで濵田一輝・小林広夢組が初優勝を飾った。

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 張本と大藤は、6月に行われたWTTリュブリャナ大会で国際舞台での初コンビを組み優勝を飾ると、続くザグレブ、さらに今回のブエノスアイレスと3大会を制覇。張本は今大会で2冠を飾っており、先月のザグレブでは大藤が同じく個人、ダブルスで頂点に立った。各大会を通じて好成績を残している日本勢の中でも、張本、大藤の2人は特に勢いを感じさせる存在となっている。

 その両者の活躍ぶりは、中国ポータルサイト『捜狐』でも取り上げられており、卓球王国メディアならではの視点から、若き日本人選手のスキルをフォーカスしている。

 7月28日、ブエノスアイレス大会の結果を伝える同サイトは、張本美和・大藤沙月ペアに対し、「結成からわずか2か月で3度の優勝を果たし、日本卓球協会の『実戦で鍛える』育成戦略を体現している」と評価する。

 さらに両者の連携面も優れているとして、「張本の前陣での速攻(フォア使用率平均42%)と、大藤の中陣からの粘り強いプレー(守備からの得点率61%)が互いを補完し合い、チームとして奥行きのある戦術をもたらしている」と分析。また、それぞれの技術面の完成度を称えるとともに、「年齢面の利点:張本17歳と大藤21歳の組み合わせは、2028年の五輪サイクルに向けて十分な成長の余地を残している」などと論じている。

 また、張本が鄭怡静(台湾)を破り優勝を飾ったシングルスでのタイトル獲得の要因も挙げており、バックハンドの安定性や、メンタル面の強靭さで、「成長曲線での進展があった」と強調する。

 他にも、男子の今大会ダブルス覇者の濵田・小林組、またシングルス優勝のウーゴ・カルデラノ(ブラジル)らのパフォーマンスも光ったと評する同メディアは、「今回の大会データは、世界卓球界が『多極対抗』の新段階に突入したことを示している。各国の育成方針の違い(日本の若年化政策、ブラジルのエリート集中育成)は、競争構造そのものを再構築しつつある」として、国際舞台での選手強化について見解を示している。

 各種大会で上位進出を果たしている日本勢をはじめ、各国のホープの台頭が続く卓球界。才能豊かなプレーヤーによる世界のトップを目指す戦いは激しさを増すばかりだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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