石川大会は、小松大谷が2年連続4回目の夏の甲子園出場を決め、幕を閉じた。11日の開幕から雨天順延がなく、天候に恵まれた…
石川大会は、小松大谷が2年連続4回目の夏の甲子園出場を決め、幕を閉じた。11日の開幕から雨天順延がなく、天候に恵まれた。「石川県は強い。能登は負けない。高校球児は諦めない」という門前の大豊瑠侍(りゅうじ)主将(3年)の選手宣誓の言葉通り、参加43チームが奮闘した。
昨年の能登半島地震と奥能登豪雨の被害の影響が残る奥能登の6校は、今年も全校が単独出場した。輪島は自校のグラウンドが今年5月まで使えなかった中、初戦で逆転勝利を収めた。流れを引き寄せた崖(きし)顕(あきら)選手(2年)の果敢な本盗は見事だった。門前は、3回戦で遊学館を相手に4点差を追いつく粘りを見せた。九回サヨナラで敗退したが、球場へ輪島市門前町から駆けつけた多くの住民を勇気づける戦いぶりだった。
延長タイブレークにもつれ込む接戦が続き、強豪校が姿を消していった。春の選抜出場校の日本航空石川は準々決勝で、星稜に延長十一回の末に敗れた。
星稜も準決勝で、延長十回で金沢に敗れた。泣き崩れる選手らの背中からは、仲間への思いと積み上げてきた日々の努力の重みが感じられた。
ノーシード校の躍進も目覚ましかった。金沢商は、初戦から3回戦まで1点差を守り抜いての8強入り。北陸学院は、シード校の羽咋工を延長で下し、春の県大会優勝の小松工には九回に1点差まで追い詰められながらも守り切って、初の4強をつかんだ。勝利を決めてベンチや応援席と喜びを分かち合う選手らの表情が輝いて見えた。この両校を破って決勝に進んだのは昨年の覇者、小松大谷だった。
決勝は観客でスタンドが埋まり外野席も開放された。三回まで互いに点を取り合う展開が続いた。先攻の小松大谷は1点ずつでももぎとっていく粘り強さ、後攻の金沢は鮮やかな4連打を見せた。プレーの一つ一つから両チームの決勝にかける思いの強さが感じられた。
2点を追う九回の攻撃を前に、ベンチ前で円陣を組んだ小松大谷の選手の表情に、険しさはなかった。「絶対に勝つ。俺たちならできる」。田西称(とな)主将(3年)の言葉を疑わないチームの結束があった。犠飛で1点をかえし、2死から胡摩結月選手(3年)の三塁打で同点に追いついた。「高校球児は諦めない」。この言葉を最も体現したのが、延長の末、連覇を成し遂げた小松大谷だった。(砂山風磨)