第107回全国高校野球選手権富山大会は、創部8年目の通信制高校、未来富山が初優勝して新たな歴史を刻んだ。大会では注目投…
第107回全国高校野球選手権富山大会は、創部8年目の通信制高校、未来富山が初優勝して新たな歴史を刻んだ。大会では注目投手と強力打線で他チームを圧倒し、危なげなく頂点に立った。U―18日本代表候補の江藤蓮投手や、チーム打率4割を超える打線で甲子園での活躍に期待が高まる。
好投手がそろった大会だった。直球が140キロを超える投手が多数出場し、富山の投手力が確実に底上げされていることを感じさせた。
さらに、スタンドまで運んだ本塁打は6本を記録し、昨夏より1本増えた。低反発バット導入2年目だが、複数の監督から「昨年より打球の飛距離が伸びている印象がある」という声が聞かれ、高校生の対応能力の高さに驚かされた。
第1シードの富山第一は昨秋と今春の県大会で優勝し、県内では無敗で臨んだが、頂点に届かなかった。再起を期してほしい。南砺福野は3勝し、9年ぶりの8強入りを果たし学校関係者を喜ばせた。
上市・雄山・中央農は、高岡と延長タイブレークにもつれ込む熱戦を繰り広げた。呉羽・富山南・富山西も魚津と九回まで競り合う試合を見せた。敗れはしたが、選手数が減る中、連合チームとして十分に力を発揮できることを示した。
富山商、富山北部などは2年生が主体のチーム編成で、来夏の成長が楽しみだ。
県高野連は選手の健康管理を最優先とし、第1試合開始を午前9時、第2試合を午後3時とする完全2部制を導入した。運営は混乱なく進行したが、高温と試合中の緊張感が重なり、足がつったり、体調不良を訴えたりする選手が見られた。
特に投手の体調不良は勝敗を大きく左右する。「好投手がいても、夏は1人で勝てない」ことは監督たちの共通認識になっているものの、実力を出せないまま、終わるのは悔いが残る。
高岡商の岡田一桜(かつえい)投手は、準々決勝で体調不良のために途中交代し、準決勝は登板を回避。決勝は九回2死から登板したが、本来の投球からほど遠かった。チームの踏ん張り、最後にマウンドへ送った吉田真監督の配慮を感じると同時に、大会屈指の左腕の悔しさを思わざるをえなかった。
健康管理が難しいことは承知のうえで、選手のために何ができるか、環境整備や選手ケアの充実などを、さらに考えなければならないと認識した大会でもあった。(前多健吾)