7月初旬、出雲北陵高校の武道館には「メン!」「コテ!」と力強い掛け声とともに、なぎなたを振り下ろす女子生徒たちがいた。…
7月初旬、出雲北陵高校の武道館には「メン!」「コテ!」と力強い掛け声とともに、なぎなたを振り下ろす女子生徒たちがいた。島根県内の高校で唯一のなぎなた部として、高校総体の女子団体戦に出場する。
部員は助っ人1人を含む5人。全員が高校で競技を始めた。部長で2年の安田結衣さん(16)は中学時代は剣道に打ち込み、中国大会で上位入賞を果たしたが、「新しい挑戦を」となぎなたの道に進んだ。剣道で培った鋭い動きに、井上美代監督(39)は「センスはピカイチ」と評価する。
1年生だった昨夏は、他の部員は3年生1人しかおらず、助っ人3人を呼び、高校総体の団体戦に出場した。創部60年の伝統を誇り、過去には個人戦で総体優勝者を輩出した実績もあるが、年々部員が減っていた。
仲間は少なくとも、なぎなたへの情熱は増すばかり。「最初は見た目の優雅さにひかれたが、技術だけでなく、自分とも向き合い、人間的にも大きく成長できる」。友人たちに競技の魅力を説いて誘った。
今春、3年生が卒業したが新たに部員が入った。安田さんに誘われた同級生の曽田小夏さん(17)。経験ゼロからのスタートだが、「少しでも力になりたい」と練習に励む。
1年生2人も入部した。その一人、斎藤桜生さん(16)は中学生の頃、兄が通っていた出雲北陵高を訪れた際になぎなた部を見て「華があってかっこいい」と一目ぼれし、進学を決めた。「優しく教えてくれる先輩たちに憧れる」と話す。
団体戦出場にはあと1人足りなかったが、安田さんが同級生に助っ人を頼み、メンバーがそろった。2年連続の高校総体団体戦への出場を決めた。
練習の合間には笑い声が響く。井上監督は「とにかく明るい雰囲気が持ち味。経験の少なさを逆手に取った『攻め、攻め、攻め』のスタイルは見ていて気持ちがよい」と期待を寄せる。
初戦の相手は今春の全国選抜大会を制した清教学園高校(大阪)。「『挑戦者』としての姿を見せたい」。強豪が相手でも臆せずに踏み込む。(松江支局 豊島瞬)
なぎなた競技は7月31日~8月3日、島根県出雲市の「出雲だんだんとまとアリーナ」で行われる。