■25日(金)午後8時◇米国女子◇ISPS Handa スコットランド女子オープン 最終日(27日)◇ダンドナルドリン…

■25日(金)午後8時

ドナルド・トランプ米大統領はプレストウィック空港からなじみ深いターンベリーへ(Andrew Harnik/Getty Images)

◇米国女子◇ISPS Handa スコットランド女子オープン 最終日(27日)◇ダンドナルドリンクス (スコットランド)◇6538yd(パー72)

「あっ、何アレ何アレ!」

「スコットランド女子オープン」2日目を終えた帰り道。精魂尽き果てて沈黙のドライブ中だった村上航カメラマンに、突然生気が戻った。左手に見えますはプレストウィック空港に、何やら人だかりができている。気になってChatGPTに聞いてみたら、なんとドナルド・トランプ大統領がスコットランドに来ていると言うではないか!

ChatGPTによると『25日8時30分頃、私的訪問のためスコットランドに到着。大統領専用機エアフォースワンでプレストウィック空港に到着し、所有するターンベリー・リゾートへ向かってゴルフをするとみられています』。ふむふむ、どうやら人だかりはエアフォースワンを見に来ていたのかもしれない。

ターンベリーといえば、1977年から2009年まで4度「全英オープン」が開かれた名門コース(2014年にトランプ氏がコースと隣接ホテルを買収した翌年に、R&Aが全英開催地のローテーションから外してしまった)。

スコットランド女子オープン会場のダンドナルドリンクスからターンベリーまでは、車で約30分。「…ちょっと、時間あるとき行ってみる?」。なんだか目に光が戻った村上カメラマン。トランプ支持…というわけではなく、根っからのゴルフ漫画「風の大地」ファンで、主人公の沖田圭介が挑戦したターンベリーを見たかったらしい。

■27日(日)午後7時半

警察があちこちに 厳戒態勢でコースに近づけず

最終日の仕事を終えて、午後7時半にいざターンベリーへ。Google Mapでルートを検索したら、コース周辺は厳戒態勢で交通規制されまくりらしい。

「とりあえず、行けるところまで行ってみましょう」(記者)と車を走らせてみたら、あと3分まで来たところでコースに続く道は全て封鎖。「Road Closed」の看板だらけで絶望しつつ、「おおお、やっぱりトランプおるんか!」となんだかテンションが上がる。

どうにか正面入り口まで近づけないかと、近くにいたポリスに声をかけてみた。

ポリス「ハーイ。コースには近づけないけど、規制の外から撮る分には大丈夫。あっちにメディア用の駐車場があるよ!一応、会社名と名前をここに打ちこんでくれる?」

え、入れないじゃん…と絶望する記者

えっ、取材させてもらえるの!? 緊張しながら差し出されたスマートフォンを見ると、ただのメモアプリに社名と氏名を殴り書きするシステム。

ポリス「ゴルフダイジェスト・オンライン…オー、ジャパニーズメディア!スコットランドは初めて?エンジョーイ」

ガチガチの警備とは裏腹に、優しい笑顔で駐車場に案内して頂きました。

■午後8時半

これが会談が行われた場所

リゾート敷地内には入れないものの、遠目にクラブハウスとスパ施設、トランプ大統領がいると思われる宿泊施設が目視できる。

カメラマンの70-400mmズームレンズで、どうにかトランプの姿が見えないか…。試行錯誤していたら、現地テレビクルーと遭遇。声をかけると、テレビカメラマンが「きょうトランプを見たぜ!」とスマホの画面を見せてくれた。

トランプ大統領の写真を見せてくれた

なんと、トランプ大統領が写っている!!

テレビカメラマン「きょう、ターンベリーでプレスカンファレンスがあったんだ。施設の内装がホワイトハウスみたいだろ」

ズームレンズでも見えないか…

実はこの日、欧州委員会ウルズラ・フォンデアライエン委員長とターベリー敷地内で会談。貿易協定の枠組みに合意したことが報じられていた。ものすごーーーく遠目に見えるターンベリーのスパ施設、あそこのどこかに、いまもトランプ大統領がいるのだろうか…。

■午後9時

なんとか撮れたシンボルの灯台

実物は見られなかったが、貴重な写真を見せてもらった上に、半径数キロ圏内まで近づけた(はず)。満足して帰路に着こうとした記者に反し、村上カメラマンは「コース、撮りたかったな…」と残念そう。せっかくなので、遠目にコースが見える場所を探してちょっとドライブ。

「向こうに見える島(アルサクレイグ島)で、カーリングストーンに使われる石が採れるんだよ」(村上カメラマン)と豆知識を教わりながら、コースのシンボルである白い灯台や、スコットランド国旗を遠目に撮影できるスポットを発見。

カーリングストーンが採れる島

午後9時半、ひとしきり撮影を終えた後、「ああ…このビーチ沿いから、コースになんとか近づけないかな…」とポツリ。

それをやったら、さっきの柔和なポリスも血相変えて飛んできますよ。でも、村上カメラマンのゴルフ愛をめちゃくちゃ感じた2時間でした。

(スコットランド・アーバイン/谷口愛純)