(28日、第107回全国高校野球選手権静岡大会決勝 聖隷クリストファー3―1静岡) チャンスは初回にさっそく回ってきた。…
(28日、第107回全国高校野球選手権静岡大会決勝 聖隷クリストファー3―1静岡)
チャンスは初回にさっそく回ってきた。「俺が打つ」。聖隷クリストファーの5番・谷口理一選手(3年)は、自信を持って打席に入った。静岡のエース吉田遥孔投手(3年)の甘く入った直球を芯でとらえ、2点適時三塁打に。チームを初の甲子園に導く一本になった。
昨夏の大会では投手としてベンチ入りし、救援で登板した。しかし決勝で掛川西に2―7で敗れ、初優勝を逃した。新チームでは持ち前の打撃を生かそうと野手に転向し三塁手のレギュラーをつかんだが、春の県大会は手首を脱臼し試合に出られなかった。
「夏は自分が打ってチームを勝たせる」。そう決意した通りの結果となり、「うれしい」と笑顔がはじけた。
自信は、練習に裏打ちされている。春の県大会直後から1カ月ほど、チーム全員が練習の初めに1時間半ほどかけて1日千回の素振りをした。スイングが速くなり、春は2割7分8厘だったチーム打率は、今大会では3割3分5厘に上昇。谷口選手はチームトップの打点7、長打5本を記録した。
聖隷はコロナ禍で選手権大会が中止された2020年夏の独自大会で優勝。22年春は、前年秋の東海大会で準優勝して選抜大会出場が有力視されながら選ばれなかった。
つかんだ悲願の甲子園。「甲子園で活躍するためにやってきている。思い切りやります」と谷口選手は力を込めた。(斉藤智子)