(28日、第107回全国高校野球選手権和歌山大会決勝 智弁和歌山2―0星林) 星林の主戦、則藤瑞起投手(3年)は今大会、…
(28日、第107回全国高校野球選手権和歌山大会決勝 智弁和歌山2―0星林)
星林の主戦、則藤瑞起投手(3年)は今大会、ほとんど一人で投げきった。
140キロ台の速球が強み。だが、春季大会決勝では智弁和歌山との圧倒的な力の差を感じた。「自分に足りないものはなにか」。智弁和歌山と互角に戦うことを目標に、練習に励んできた。
この日の決勝は「あとはもう自分の持っているものをぶつけるだけだ」という気持ちで臨んだ。
「俺のストレートを信じろ!」。バッテリーを組む捕手、浜口真悠斗選手(3年)の帽子のつばに、こんな言葉を書いていた。2点リードされて迎えた八回裏、2死一、二塁のピンチ。マウンドに駆け寄った浜口選手から「瑞起を信じるから」と声をかけられた。次打者を三振に仕留め、得点を許さなかった。
試合には敗れたが、最後まで球威は衰えることなく、智弁和歌山の強打線を被安打6、2失点に抑えた。
「勝ち上がるたびに疲労を超えていくのを感じた。決勝で自分の持ち味を発揮できたから悔いはない」。にじんだ涙は乾き、表情は晴れやかだった。(小若理恵)