【Zico All-StarGameFor PeaceHIROSHIMA80Years WORLD LEGEND vs …

【Zico All-Star Game For Peace HIROSHIMA 80 Years WORLD LEGEND vs JAPAN LEGEND 2025年7月25日(金)19:00キックオフ】 撮影/原壮史(Sony α-1使用)

■注目を集めたのは「稀代のファンタジスタ」

 ブラジルで20年続くジーコのチャリティーマッチ『Jogo das Estrelas』が日本に初上陸。中田英寿やロナウジーニョら豪華スターが集まり、被爆から80年となる広島の地で、サッカーを通じて平和へのメッセージを発信した。

 試合前には平和記念公園で献花が行われた。

 試合の収益は、寄付や子どもたちのサッカー環境整備支援に使われるだけでなく、広島市を通じて原爆ドームと平和記念公園の整備補修支援にも充てられる。

 献花を終えたジーコは「今も世界中で争いがある。ヒロシマを忘れてはいけない。2度と起きてはいけない。平和のメッセージを伝え続けたい」とコメントした。

 中田英寿は「世界中に多くのファンがいるサッカーは、多くの人の行動や考え方を変えられるスポーツだと思う」と、世界各地でチャリティーマッチに参加してきた自身の経験を通じて感じていることを語った。

 2人に加え、ジャパンレジェンズからは中田浩二と小野伸二が、ワールドレジェンズからは「友達なら当たり前」CMで一世を風靡したアルシンドと、ACミランなどで大活躍したクラレンス・セードルフが選手たちを代表して献花した。

 スターが集まった試合で特に注目を集めたのは、稀代のファンタジスタ、ロナウジーニョの参加だろう。

 そのプレーで人々にサッカーの楽しさを感じさせることができる彼の存在は、試合を通じて平和を訴えることを大いに後押しした。

 レジェンドマッチならではのゆったりとしたペースの中でも、技術や表情はあの頃のまま。

 スピードやフィジカルコンタクトがなくとも、ファンの期待にプレーで応え、スタジアムを盛り上げた。

 30分ハーフの前半を終え、交代。「とても素晴らしいイベントになった。日本の方々がとても親切にしてくれた。感謝している。また戻ってきたい」とコメントを残した。
 

■負けたくない気持ちがにじみ出た「闘将」

 ワールドレジェンズにはJリーグを盛り上げた名選手たちも多く名を連ね、リーグ創設初期に人気を獲得したアルシンドとモネールもプレーした。

 キャプテンを務めたのは闘将・ドゥンガ。ときどき、負けたくない気持ちがにじみ出たが、それもファンを喜ばせた。

 試合は、41歳の元ポルトガル代表、リカルド・クアレスマが、このメンバーの中では反則級のスピードとキレで無双。代名詞でもあるアウトサイドキックでゴールも奪い、ワールドレジェンズに勝利をもたらした。

 中田氏は試合の感想を「こうやって会って良い時間を過ごせるのは、本当に、何ごとにも代えがたい。楽しい時間だった」と語った。

 その言葉通り、レジェンドたちが何歳になってもサッカーを楽しんでいることが伝わってくる温かい試合は、立ち止まり・思い出す、ということをする時間の大切さを、観衆に自然と感じさせるものだった。

「広島で開催できて本当によかった」“神様”とも呼ばれるジーコは、試合後もそう繰り返した。

■試合結果

WORLD LEGEND 3-1 JAPAN LEGEND

■得点

8分 中田浩二(JAPAN)

9分 アルシンド(WORLD)

23分 リカルド・クアレスマ(WORLD)

75分 リカルド・クアレスマ(WORLD)

いま一番読まれている記事を読む