<2025年全国高校野球選手権西東京大会:日大三4-2八王子>◇27日◇準決勝◇明治神宮野球場 猛烈な暑さの中で行われた…

<2025年全国高校野球選手権西東京大会:日大三4-2八王子>◇27日◇準決勝◇明治神宮野球場

 猛烈な暑さの中で行われた日大三と八王子の一戦は、みている人の心を熱くする熱戦になった。

 熱戦になった要因として挙げられるのが八王子・古山 球道(3年)、日大三・近藤 優樹(3年)の両先発投手の頑張りだ。

 今大会1回に失点することが多い八王子は、この試合でも、1回裏に日大三の1番・松永 海斗外野手(3年)の四球の後、主将で3番の本間 律輝外野手(3年)の二塁打で、いきなり先制された。けれどもこの回、1失点に抑えたことで、古山は立ち直り、好投を繰り広げる。

 日大三の近藤は、球が抜群に速いわけではないが、緩急をつけた投球で八王子打線を打ち取る。また八王子の遊撃手・新井 唯斗(3年)、日大三の遊撃手・松岡 翼(3年)を中心とした野手も好守でエースを盛り立てる。

 7回表八王子は、二死二塁から9番の古山の中前安打で、一、三塁とする。ここで日大三の中堅手・本間が足を吊り、試合は一時中断する。8分ほどの中断の後に打席に入った八王子の1番・新井の内野安打で八王子が同点に追いつく。

 さらに8回表八王子は一死満塁から7番・伊藤 泰平内野手(3年)の左犠飛で八王子が勝ち越す。けれどもその裏、二死満塁から1番・松永が死球で押し出しとなり、同点になる。さらに2番・松岡に2ボール1ストライクになったところで、八王子は古山に代えて、同じく左腕の島田 悠之介(3年)を登板させる。島田は松岡を三振に仕留める。

 そして9回裏、日大三はこの回の先頭打者・本間が死球で出塁する。7回に足を吊っている本間に代わり1年生の福井 理仁投手を代走に送る。そして4番の田中 諒内野手(2年)は、2ボール1ストライクからの4球目を叩くと、打球はレフト柵越えのサヨナラ2ランとなり、熱戦に終止符が打たれた。

「打ったのは高めの真っ直ぐ。自分のスイングで振り切りました。打った瞬間、行ったと思いました」と田中諒は言う。

 殊勲の田中 諒だが、これまで4番の役割を十分に果たせたわけではなかった。「4番が打てないと厳しい展開になる」と三木 有造監督から指摘され、人一倍打撃練習に取り組んできた。そして4番が大事なところで役割を果たし、決勝進出を決めた。決勝戦は東海大菅生と対戦する。トーナメント表では、東海大菅生が1番、日大三が最終番号の123番。トーナメント表の両端から順当に勝ち上がってきた、いわば横綱同士による西東京の頂上決戦になる。