＜2025年全国高校野球選手権西東京大会：東海大菅生５－０国士舘＞◇27日◇準決勝◇明治神宮野球場 「ピッチャーが0点…
＜2025年全国高校野球選手権西東京大会：東海大菅生５－０国士舘＞◇27日◇準決勝◇明治神宮野球場
「ピッチャーが0点に抑えれば、負けることはないですから」と、東海大菅生の若林 弘泰監督は言う。この夏の東海大菅生は、長打をガンガン打つようなチームではない。それでも、量、質ともに充実した投手陣に加え、主将の前田 蓮内野手（3年）を中心とした守りもしっかりしており、試合運びが安定している。
準決勝の国士舘戦。東海大菅生は、エースの左腕・上原 慎之輔（3年）が先発した。国士舘は1回、2回、3回、4回と先頭打者が出塁し、チャンスを得たが、得点につながらない。国士舘の箕野 豪監督は、「前半のチャンスに1点でも取れていたら」と悔やむ。
国士舘は左腕の鎌村 曜平（3年）が先発。今大会、国学院久我山、日大鶴ケ丘、早稲田実と強豪相手に好投していた鎌村は、この試合でも相手に得点を与えない投球を繰り広げる。国士舘の箕野監督は「エースらしいピッチングをしてくれました」と語り、東海大菅生の若林監督は、「スピードガン以上の威力を感じました」と語る。
試合が動いたのは5回表東海大菅生の攻撃。一死後、9番・上原が四球で出塁し、2番・久米川 欣士内野手（3年）の内野安打で一、二塁となり、主将で3番・前田の右前安打で上原が生還し、貴重な先取点を挙げた。
東海大菅生は、7回表は敵失絡みで2点を挙げ、8回表には先発投手の上原の代打として打席に立った佐藤 太希外野手（3年）の二塁打などで2点を挙げる。
上原に代打を起用したため、8回、9回は外野手として出場していた藤平 寛己（3年）が登板。「8回はふくらはぎ、9回は太ももの裏の筋肉が吊ってきました」という藤平は、足を気にして、本来の状態ではなかったが、得点を与えず、５－０で東海大菅生が勝ち、決勝進出を決めた。
7回を被安打3の無失点に抑えた上原は、「自分のピッチングができました。無失点には特にこだわっていません」と語る。そして、決勝戦に向けては、「ここまで来たら、技術ではなく、気持ちだと思います」と上原は言う。
上原は1年生の秋から公式戦で投げている。春季関東大会には2年連続で出場しているものの、甲子園には1度も行っていない。それだけに、強い気持ちで甲子園に向けての最後の戦いに臨む。
