(27日、第107回全国高校野球選手権千葉大会決勝 市船橋8―7八千代松陰=延長10回タイブレーク) 「キャプテンをあげ…

(27日、第107回全国高校野球選手権千葉大会決勝 市船橋8―7八千代松陰=延長10回タイブレーク)

 「キャプテンをあげろ!」。優勝が決まった市船橋の主将、田中健人(3年)の体は、胴上げで宙を舞った。スタンドの3年生もフェンスに近寄り、喜びを分かち合った。

 市船橋は昨年の決勝戦、タイブレークで敗れた。田中は、先輩が崩れ落ちる姿が忘れられなかった。

 野球で競いあってきた47人の3年生。大会への思いには温度差もあった。「優勝したいのは同じだろ。どんな形でもいいから、チームに貢献して頑張ってこうぜ」。日々のミーティングで、何度も呼びかけた。少しずつ、全員の気持ちがまとまっていった。

 今大会、順調に勝ち進んできたが、この日は接戦の末、昨年と同じ延長タイブレークにもつれこんだ。そして十回表、相手に4点を取られた。

 その裏、ベンチで見守っていた田中は打席に向かう選手へ声をかけた。「落ち着こう。我慢すれば絶対に打てる」

 その言葉通り、反撃でサヨナラ勝ち。田中は「全員でつかんだ一勝だ」。入学以来、一人も辞めずにここまで来た47人。その仲間と甲子園に挑む。(宮下晶)