<2025年全国高等学校野球選手権京都大会:京都国際4-3鳥羽◇27日◇決勝◇わかさスタジアム京都 昨年の甲子園優勝校・…
<2025年全国高等学校野球選手権京都大会:京都国際4-3鳥羽◇27日◇決勝◇わかさスタジアム京都
昨年の甲子園優勝校・京都国際と第1回選手権大会優勝の鳥羽が決勝で激突。京都国際がサヨナラ勝ちで2年連続4回目の優勝を果たした。
注目のエース左腕・西村 一毅投手(3年)は5安打5四死球12奪三振で3失点完投。女房役の猪股 琉冴捕手が9回裏、無死一、三塁から右越えのサヨナラ適時打を放って、勝利が決まった直後には涙を流して喜んだ。
「本当に感謝しかない。今日は負けたら自分のせいで、『どうしよう』という思いがよぎっていて、嬉しい、ありがとうという気持ちが大きかったです」と涙の訳を語った西村。4回戦から4試合連続の先発マウンドで力投したが、甲子園を懸けた一戦は苦しい試合となった。
1回表、二死二塁で対峙するのは4番の横谷 乙樹内野手(3年)。準決勝の京都外大西戦で逆転サヨナラ満塁本塁打を放っている強打者だ。
「失投ではないですが、少し甘く入ってしまった」と初球に投じた低めのストレートをバックスクリーンに運ばれて被弾。公式戦で本塁打を打たれたのはこれが初めてだったそうだ。
2点を先制された京都国際は毎回のように得点圏まで走者を進めるが、鳥羽の堅い守りと鮮やかな継投策を前に7回まで1点しか奪うことができない。6回裏には二塁走者の西村が投手からの牽制でアウトになる場面もあった。
重苦しい展開の中、8回表には二死満塁で横谷を迎える。すると、1ストライクからの2球が暴投となり、思わぬ形で追加点を献上してしまった。
それでも京都国際は8回裏に二死二、三塁のチャンスを作ると、昨夏の甲子園でもレギュラーとして活躍した1番の長谷川 颯外野手(3年)に打席が回る。「この大会では自分の一打で決めてやるぞという気持ちを常に持っていました」という長谷川颯は初球の変化球を上手くミート。中前2点適時打となり、終盤で同点に追いついた。
これで流れは京都国際に。9回裏は先頭の4番・清水 詩太内野手(3年)が左前安打で出塁すると、相手の牽制悪送球で三塁に進む。ここで鳥羽は申告故意四球を選択。無死一、三塁で猪股に打順が回った。
「初球は真っ直ぐで来るかなと思ったので、絶対に一発で仕留めてやろうという気持ちで振り抜きました」と読み通りに内角のストレートを振り抜くと、打球はライトの頭上を越える安打となり、サヨナラ勝ちを決めた。
昨夏に全国で最も長い夏を過ごした京都国際は新チームの始動が遅れ、秋と春は16強で敗退。ともにあと一本が出ずに敗れた。
「どんな展開でも勝ち切ると1年かけて取り組んできたことが最後に出ました。このチームの成長かなと思います」と語った小牧 憲継監督。チームの成長は例年より遅かったが、夏を戦う中でチーム力をつけてきた。
春までのチームなら負けていた試合だったかもしれない。この決勝がこのチームの集大成とも言えるゲームだった。
「全員で優勝旗を返しに行く」という第1のミッションは達成。次は京都国際しか挑戦権のない連覇という偉業に挑む。混戦の京都を勝ち抜き、一皮剥けたチームが甲子園に乗り込む。