(27日、第107回全国高校野球選手権長崎大会決勝 創成館4―3九州文化学園=延長十一回タイブレーク) ノーシードの九州…
(27日、第107回全国高校野球選手権長崎大会決勝 創成館4―3九州文化学園=延長十一回タイブレーク)
ノーシードの九州文化学園が、最後まで創成館を苦しめた。
2点差を追う九回裏1死、捕手の池田璃玖選手(2年)が打席に入った。狙ったのは、創成館のエース、森下翔太投手(3年)の直球。バットを思い切り振ると、本塁打になった。雄たけびをあげて生還すると、涙を流して迎える仲間も。
試合は、初の決勝進出にチームを牽引(けんいん)してきた先発の荒木翔斗投手(2年)が三回までに3点を失い、山田陸琥投手(3年)に交代。四回以降は、出塁させても堅守で追加点を許さず、九回表には3人目の山下大翔投手(2年)を投入。「総力戦」になっていた。池田選手は「みんなの思いが詰まっていて、背中を押してくれたので、思い切りバットを振れました」と振り返った。
1点差に迫り、チームは沸いた。次打者の真藤暖瑠選手(3年)が創成館の失策で出塁すると、末永颯人選手(同)、大江斗亜選手(同)の連続安打で満塁に。古瀬一翔選手(2年)のスクイズで同点に追いつき、試合を振り出しに戻した。
しかし延長十一回表タイブレークで1点を奪われ、追いつけなかった。
チームは、プロ野球投手でも活躍した香田勲男監督が、募集段階から関わって育て上げた。香田監督は「選手たちは最後まで『まだいける』とずっと声をかけあって、一丸となっていた。九回裏のホームランも、みんなの思いがバッターに届いたかのよう」とたたえた。(上沢博之)