日本代表の優勝で幕を閉じた男子のE-1選手権。ほとんどの記者はすぐに隣国を後にしたが、蹴球放浪家・後藤健生は現地に残っ…

 日本代表の優勝で幕を閉じた男子のE-1選手権。ほとんどの記者はすぐに隣国を後にしたが、蹴球放浪家・後藤健生は現地に残った。そこで見えてきた韓国の「最新マネー事情」とは?

■海外旅行の「悩み」は過去のものに

 韓国に17泊して帰国しました。

 龍仁(ヨンイン)、水原(スウォン)、華城(ファソ)でE-1選手権を観戦した後、韓国南西部の大邱(テグ)や浦項(ポハン)、蔚山(ウルサン)などを経て釜山(プサン)から帰国する周遊旅行でした。首都ソウルには行く予定はなかったのですが、E-1選手権閉幕の翌日に水原駅から大邱に向かおうとしたら、韓国中南部を襲った豪雨の影響で在来線が全面ストップしていたので、いったん水原からメトロでソウルまで行って、KTX(韓国高速鉄道)を利用したので、一応、ソウル駅は訪問しました(水原にはKTXが走っていません)。

 海外旅行に行くとき、悩みの一つが現地通貨への両替でした(「でした」と過去形を使います)。

 日本にいるうちにレートが良い両替所で交換して行くべきか、現地に着いてから両替すべきか……。現地到着後も空港ではレートが悪いので最低限だけ交換して、市内で両替所を探す。あるいは、空港のそばに現地の銀行があれば、そこまで歩いて行って交換すると得になるといった「情報」を目にすることもありました。

 40年前には、日曜日の朝に到着したら銀行も両替所も休みになっていて両替できなかったことさえありました。イタリアのトリノでのことです。開店していた駅のバール(カフェとバーの両方の機能を兼ね備えた飲食店)で両替してもらいました。

■18日間で使った現金は「8000円」

 そんな、すべての記憶は遠い過去のことになってしまいそうです。

 今回の17泊18日の韓国旅行で、現金を使ったのはたったの8万ウォン(約8000円)だけだったのです。

 そのうち7万1000ウォンはTマネー・カードのチャージでした。

 Tマネー・カード(韓国語の発音は「ティーモニ」)というのは交通系ICカード。韓国のほとんどの地域のさまざまな交通機関やコンビニなどで使えます。

 余談ですが、Tマネーの優れたところは有効期限がないことです。

 今や、交通系ICカードは全世界に存在していますが、たいていは半年とか1年とか期限が決まっているのです。2年後に同じ都市を訪問してカードを使おうとすると使えなくなっているので、買い直さなければなりません。

 しかし、Tマネーは何年も使わなくても無効になりません。ちなみに、僕が今持っているカードは2009年3月に購入したものです。

■支払いはすべて「信用カード」に

 ただし、駅のチャージ機でも、コンビニでも、チャージは現金でしかできないのです。

 7月7日に、僕は仁川(インチョン)国際空港のATMで(自分の銀行口座から)10万ウォンを引き出しました。そのうち、2万ウォンは水原滞在中に同行していた某女性フォトグラファーが「Tマネーにチャージしたい」というのでお貸ししました。そして、残り8万ウォンのうち7万1000ウォンはTマネーをチャージするのに使い、9000ウォンは大邱のバス・ターミナルの食堂でクッパプ(スープにごはんが入った料理、日本ではクッパとも呼ばれる)を食べたときの支払いに使ったのです。

 韓国ではクレジットのことを信用カード(シニョンカト)と呼びますが、ここの食堂では客が入ってくるたびに、おばさんが「今、信用カードが使えなくなっていて、現金だけなんですよ」と断わっていました。

 そして、それを聞いて帰ってしまう客もいました。それだけ、カードでの支払いが普通になっているということです。

 実際、僕は18日間の滞在中、現金で支払ったのは、この大邱の食堂だけでした。

 ホテルや高給レストランはもちろん、場末の食堂でも、屋台店でも、コンビニでも、支払いはすべて信用カードでした。

 韓国は、もはや、キャッシュレス社会になっているのです。

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