◇国内女子◇大東建託・いい部屋ネットレディス 最終日(27日)◇ザ・クイーンズヒルGC (福岡)◇6503yd(パー7…
◇国内女子◇大東建託・いい部屋ネットレディス 最終日(27日)◇ザ・クイーンズヒルGC (福岡)◇6503yd(パー72)
母としてのタイトル獲得はお預けになった。首位から出た36歳の一ノ瀬優希は4バーディ、3ボギーの「71」とスコアを伸ばしきれず、通算12アンダー。11年ぶりのツアー4勝目、史上7人目の“ママ優勝”を逃す7位に終わり「“超ミス”が2回くらいあった。下手だな、緊張していると動かないんだなと久しぶりに感じました」と悔しがった。
2019年に結婚し、男子ツアー2勝の谷口拓也と立てた、スタート時の目標は「4アンダー(68)」。序盤2番で5mのバーディパットを沈めてガッツポーズを作り、5番で2つ目を決めた優勝争いの時間はずっとナーバスだった。
下部ステップアップツアー初勝利を飾った前週の「あおもりレディースオープン」とは違う空気が身を包む。「伸ばさないといけないのに、なかなか伸ばしきれなかったので焦っていたかもしれない」。8番(パー3)のボギーの後、バンカーから3打目をピンそば1mに寄せた10番(パー5)から2連続バーディを奪ったのが、最後のチャージだった。
4歳の長女と1歳の長男に見せたかった優勝はお預け。「後半の途中に来てくれました。(クラブハウスで)ご飯を食べて、暑いから18番ぐらいに来ればいいんじゃない?って言ったら、18番をプレーしているときにもご飯を食べてたみたい。何のために来たの…」。そう苦笑いしたが、ママゴルファーとしての自覚は一層強くなった。「今回は(自宅のある)福岡だから来られたけれど、なかなか会場には来られない。そういうチャンスをものにできるように、まずはその場に行けるように頑張りたい」
4日間、キャディバッグを担いだ谷口も、「(出産後)練習できる時間は減っている。それでもドライバーもアイアンショットも、昔より飛距離が伸びている。これからですよ」と妻の今後への手応えがある。前週の優勝により9月のメジャー「ソニー日本女子プロゴルフ選手権大会」(茨城・大洗GC)の出場権を手にしており、夫婦タッグはまた近いうちに見られそう。
21年「GMOインターネット・レディース サマンサタバサ」を制した若林舞衣子以来のママゴルファーによる優勝はもちろん、たやすいはずがない。一ノ瀬は「(転戦中に子どもを)見てくれる人がいないと出られないのが、たぶん現実。(親が世話をしてくれる)私が言える立場にはないんですけど」と今ある環境に感謝しながら、「産んでも戻ってきたいと思う人もいるかなと思うので頑張りたいです」と奮闘を誓った。(福岡県糸島市/桂川洋一)