<2025年全国高校野球選手権鹿児島大会:神村学園15-6れいめい>◇26日◇決勝◇平和リース球場 大会3連覇、県大会4…

<2025年全国高校野球選手権鹿児島大会:神村学園15-6れいめい>◇26日◇決勝◇平和リース球場

 大会3連覇、県大会45連勝…神村学園の目指すものは明確だったが「周囲からの期待も大きく、プレッシャーだった」と今岡 拓夢主将(3年)は言う。その「重圧」をはねのけ、目標を達成した。日頃厳しく選手たちを指導していた小田 大介監督も「きょうだけは褒めてあげたい」と選手たちの頑張りをたたえていた。

 16安打15得点。チームスローガン「継打一心」通りのつなぐ打線が最後まで途切れなかった。7四球選んでいるのも見逃せない。2、5、7回の得点はいずれも四球が足掛かりになっている。「相手の伊藤(大晟・3年)君からはそう簡単に連打は望めない」(小田監督)。ボールをしっかり見極め、まずは塁に出て、粘り強くつないだ成果が15得点に表れている。3本の二塁打を含む4安打4打点と気を吐いた今岡主将は「スタンドを見たら、たくさんの人が応援してくれるのが分かった。みんなを甲子園につれていきたいと思った」気持ちをバットで表現した。

 マウンドでは準決勝に続き、エース早瀬 朔(3年)をリリーフした千原 和博(3年)が好投。6回途中からマウンドに上がり、2つの死球を与え押出しで1点は献上したが「流れを渡すわけにはいかなった」。人間の煩悩と同じ108つの縫い目があるように「ボールには気持ちが表れる」と日々、小田監督から言われている。抑えようと力めば力むほど、ボールは思ったところにいかない。丁寧に低目を突く投球を心掛け、最後は127キロのスライダーで、狙い通りの空振り三振で切り抜けた。

 エース早瀬が準決勝に続いて先発の役目を果たせなかった。守備のリズムが作れず、失点にエラーが絡むなど、甲子園まで修正すべき課題も見つかった。「課題があるということはまだまだ伸びしろがあるということ」と小田監督。彼らが目指す最終目標は、2年続けて4強で終わっている甲子園での全国制覇だ。「叶えられるのは自分たちの代しかない。一戦必勝でぶつかって日本一を達成したい」と今岡主将は夢を語っていた。