◇国内女子◇大東建託・いい部屋ネットレディス 最終日(27日)◇ザ・クイーンズヒルGC (福岡)◇6503yd(パー7…

渡邉彩香が通算6勝目をホステス大会で飾った

◇国内女子◇大東建託・いい部屋ネットレディス 最終日(27日)◇ザ・クイーンズヒルGC (福岡)◇6503yd(パー72)◇晴れ(3516人)

2018年にシード落ちを経験した渡邉彩香は、2021年末に復帰しながら、30歳になった23年末にはまたシードを手放した。その間、コロナ禍の20年に「アース・モンダミンカップ」、22年「ほけんの窓口レディース」で勝ったとはいえ、頭には次第に休養や撤退の二文字が浮かぶようになったという。

プロの世界は厳しい。2015年に始まった大東建託との契約は、いつ打ち切られても不思議ではないと思っていた。「試合に出るかどうか迷っていた時期があった」から、なおさらだ。そんな時、人づてに聞いた歴代の社長の言葉が忘れられない。「どんな選択をしても、私たちは渡邉選手を応援をしたい」。浮き沈みの激しいキャリアを、10年に渡って飲み込んでくれるサポーターに、いつか報いたいと願うのは当然だった。

ウェッジやアイアンで着実にチャンスメーク

恩を返す舞台としてこれほどふさわしい機会はない。ホステスプロとして臨む大会が10回目の開催となった今年、3日目を終えて首位と2打差の7位につけた。3日間でボギーを2つに抑えながら、フェアウェイキープ率はわずか33.33%(14/42)。最終日、渡邉は鬼になった。「勝つためにはドライバーはいらない」。パー3を除く14ホールで1Wを握ったのは3ホールだけ。大好きなクラブを“封印”しても、勝ちたかった。

3Wでもティアップすれば240yd以上飛ぶ。「ドライバーでショットを曲げると体力も使うし、“やっとのパー”を拾い続けると流れをつくるのも難しい」とアイアン、ウェッジでチャンスメークし続けた。残り210ydから5Iで2オンに成功しイーグルを奪った6番(パー5)のほか、バーディを奪った6ホールの第1打で握ったのはすべて3Wだった。

純白のチャンピオンブレザーに身を包んだ

トップで並んで迎えた後半15番、16番(パー3)。「外したら優勝はない」という2m強のパーパットは「120%の集中力」でねじ込んだ。普段は数少ないガッツポーズを何度も繰り返し、最終18番は9Iによる2打目をピンそば2mにピタリ。「ホステスプロとして優勝するのは、そんなに簡単じゃないと思っていた。苦しい展開もあったけれど、ガッツで(笑)」。会心の「64」で通算17アンダー。後続に2打差を付ける鮮やかな逆転勝利を飾った。

6勝目の美酒はこれまでの優勝とは一味違う。「今までの5勝は自信満々で勝った。今週はあまり自信がなかったんですけど、いま自分にできることをやり続けた。この1勝は今までの自分にはない勝ち方」と内容以上に結果を誇れる。重圧をはねのける、これ以上ない恩返しを実らせ、戦い方の引き出しも増えた。「これからに生きて来るんじゃないかな思います」。31歳。まだ強くなれる。(福岡県糸島市/桂川洋一)