(26日、第107回全国高校野球選手権香川大会準決勝 英明6―5藤井) 「清家、一回笑え」 1点差に詰め寄られた六回裏…
(26日、第107回全国高校野球選手権香川大会準決勝 英明6―5藤井)
「清家、一回笑え」
1点差に詰め寄られた六回裏、藤井の大西湧太朗主将(3年)は、空振り三振に打ち取られ落ち込んでいた清家煌生(こうせい)選手(2年)に声をかけた。
大西主将の役割は、ベンチの雰囲気を悪くしないようにチームをまとめること。先発メンバーは1、2年生だけで、自身を含めた3年生3人は代走などを除き、試合に出る機会はほぼない。試合に出る後輩たちを鼓舞しようと、誰よりもベンチから声を出してきた。
2年生の冬には、チームを引っ張るどころか、自分が練習についていくのに精いっぱいで、後輩たちに声をかける余裕もなかった。部を辞めようかとも考えたが、後輩らに励まされ、ここまで主将を続けてきた。
試合は、リードして迎えた最終盤に逆転を許し、敗れた。試合後、「キャプテンだから嫌われてもチームが強くなるために(厳しいことも)言ってきた。頼りない僕だけど、ついてきてくれてありがとう」。涙ながらにそう語った。
ともに控え選手としてチームを支えてきた別の3年生2人とは強い絆で結ばれている。「(彼らも)一緒にがんばってくれた。これからも人生で迷ったら、連絡しようと思う」(斉藤夏音)