新型のフロアを導入される角田のマシン(C)Getty Images 課題だった公式予選で、F1レッドブルの角田裕毅が躍進…

新型のフロアを導入される角田のマシン(C)Getty Images

 課題だった公式予選で、F1レッドブルの角田裕毅が躍進した。

 現地時間7月26日、F1今季13戦となるベルギー・グランプリ(GP)の予選が行われ、角田は予選3回目(Q3)に進出した上で全体7位と躍進。レッドブル昇格後で予選最高位となる強烈なパフォーマンスを発揮した。

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 レッドブル昇格から10戦で獲得ポイント3と低迷が続いてきた。短期休暇明けとなる前日のフリー走行でも苦戦していた角田は、今回の予選でも厳しい戦いが予想されていた。

 そうした状況下で快進撃の起点となったのは、姉妹チームのレーシングブルズで苦楽を共にしてきた新代表の“英断”だった。今回のレースから指揮を執るローラン・メキース代表が、スタート直後にエースのマックス・フェルスタッペンに集中投入していたマシンアップデート(改良)を厳命。角田のマシンにも新型フロアを急きょ装着し、改善を図ったのだ。

 これで角田は躍動した。Q1を12番手で何とか突破した25歳は、15台で争われるQ2では、最初のアタックで1分41秒245をマーク。この時点で全体2番手に食い込んだ好タイムで7戦ぶり今季6度目のQ3進出を決めた。

 久しぶりのQ3のラストアタックでも1分41秒284を叩き出した角田は、4番手となったフェルスタッペンともタイム差も「合格ライン」とされる0.4秒を切った。エースに肉薄し、これまでとは全く異なる速さを見せた。

 メキース氏の英断を本人も笑顔で喜んだ。予選後にF1公式のフラッシュインタビューに応じた角田は、「予選直前にアップグレードを持ってきてくれたチームに感謝しているし、マシンに本当に大きな違いを感じた」と充実感を口にした。

「もちろん、まだまだ改善の余地はある。だけど、フロア車体の下側にある空力パーツの一部が変わっただけでも、このポジション(7番グリッド)に立てるほど大きな違いがあった。メカニックのみなさんがやった仕事の量は信じられないほど多かったし、予選に間に合わせてくれたことがまだ信じられない」

 ではなぜ、このタイミングで陣営は角田のマシンアップデートを施したのか。英衛星放送『Sky Sports』のインタビューに応じたメキース代表は、こう明かしている。

「私たちの新たな部品の数量は、常に必要最低限にとどめている。そうした状況で、今日は、あえてリスクを冒して、ユウキのマシンをアップグレードすることに決めた。予選の1回目で少し遅れてしまったが、今日の結果は全員の努力の賜物だ。実際、ユウキのパフォーマンスを非常にいいレベルに到達させた」

 これまで“エース贔屓”と揶揄されるほど、常にフェルスタッペンを最優先にしてチーム作りを進めてきたレッドブル。そんな背景を思えば、角田のために「リスクを冒す」という決断は考えられなかった。

 メキース代表の後押しを受けた角田は、常勝軍団復活のための足掛かりを掴むか。27日の決勝での走りには、文字通り世界の熱視線が注がれる。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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