<2025年全国高校野球選手権埼玉大会:叡明12-8 山村学園(延長11回タイブレーク)>◇25日◇準決勝◇県営大宮球場…
<2025年全国高校野球選手権埼玉大会:叡明12-8 山村学園(延長11回タイブレーク)>◇25日◇準決勝◇県営大宮球場
好投手田口 遼平(3年)擁する春準優勝の叡明 vs プロ注目・横田 蒼和(3年)を擁するDシード・山村学園との一戦。昨秋も対戦しており、その時は山村学園が勝利しているが、昨秋はほぼ田口が1人で投げなければいけない状況。中1日で3試合目が山村学園戦であった。今春以降は増渕 隼人(3年)が台頭。今大会の田口は万全な状況でこの日を迎える。
先発はその叡明・田口と山村学園・横田、両エースが登板し試合が始まる。
共に3番・ショートで大事な場面はエースとして登板するなど共通点の多い2人。特に田口は横田に対する対抗意識が強く「向こうも折れずに投げてくるので自分が先に退くわけにはいかない。最後まで強気で投げる。横田がマウンドを降りるまで絶対にマウンドを降りない」と、決めていた。
先制したのは叡明。
2回表、この回先頭の高野 歩(3年)が失策で出塁すると、7番・三枝 塁(3年)、8番・細沼 慶聡(3年)に対し叡明ベンチは強攻策を取る。両選手がこれに応え連打で無死満塁とする。1死後1番・根本 和真(3年)が左前適時打を放ち2点を先制する。
だが、叡明は4回裏、山村学園の反撃を受ける。先頭・門田 琥白(3年)の打球が田口に直撃してからやや流れが変わる。続く横田が左中間へ二塁打を浴びると、さらに失策などで2死一、三塁のピンチを招き、1年生・松本 智司に左中間へ2点適時二塁打を浴び同点とされると、続く宮本恵介(3年)にも左中間へ適時三塁打を浴び2対3と逆転を許す。
それでも「互いにこのまま終わるはずがない」 と、中村監督は焦ってはいなかった。
6回表2死から失策と死球で2死一、二塁とし、2番・青木 柚吾(2年)がライトスタンドへ逆転3ラン本塁打を放ち5対3とする。
叡明は7回表にも4番・赤城 翔(2年)、5番・笘 大悟(3年)の連続長短打で1点を追加し6対3とするが、「横田くんのフォークにゾーンを上げて対応していたが予想以上に変化があって(12奪三振)と特に中盤以降振らされて相手に流れを渡してしまった」(中村監督)と、ここから山村学園に猛反撃を受ける。
7回裏、バント処理のミスなどから無死満塁のピンチを招き併殺の間に1点を失うと、最終回、代打・鳥畑 慧悟(3年)、磯 心翔(3年)、門田 琥白(3年)の3安打で1死満塁のピンチを招くと、横田は打ち取るも2死後、畠山 明祈(2年)に2点適時打を浴び6対6の同点で延長タイブレークへと進む。
10回は互いに1点ずつを取り合い迎えた、11回表、叡明打線が土壇場で爆発。2死二、三塁から青木、田口、赤城、笘の4長短打で一挙5点を奪うビックイニングを作り勝負あり。
結局、田口はその裏の相手の反撃を1点で凌ぎ、叡明が山村学園との激闘を12対8で勝利し初の決勝進出を決めた。
「信じられないです。横田くんの気迫溢れる投球と山村さんのしつこい打線。本当苦しかったですけど選手達がよくやってくれた。5回終わって田口から増渕へ継投も考えたが横田くんの姿を見て代えられないと思ったし、田口にも先にマウンドは降りれないよねと確認した。先行でタイブレークは苦しいかと思っていたがよく5点取ってくれた」と、中村監督は選手達を称賛する。
叡明はこの日も13安打を放つなど今大会打線が好調。だが終盤以降は防戦一方。この日初めての接戦だっただけにその状況で真価が問われたが、最後は田口を中心とした意地の勝利。
「お互いに点は取られました。山村学園はしつこくて自分達が点を取っても追いついて追い越そうとしてくる。粘り切れなくて仲間に申し訳ない所もあったんですが、みんながカバーしてくれた。11回は投げたことなかったんですが、疲労も感じずに投げ抜くことができた。10回の同点に追いつかれてからはギアを上げた」と、158球投じた田口、168球投げた横田との壮絶な直接対決に最後粘り勝ちした形だ。
「昨秋は勝ち上がれるチームではなかったが、関西遠征へ行った時にセンバツのベスト8の浦和実vs聖光学院戦を直接見て、俺らもやれるって雰囲気になりチームがグンと伸びて春の成績にもつながった。甲子園というものが現実味を帯びて考えられるようになった」と、中村監督もチームの成長に手応えを感じている。
決勝の相手は同地区のライバル昌平が相手。
「公式戦で勝ったことはないが、胸を借りて相手をリスペクトして、結果云々ではなく、まずは”投手を中心に打線は繋ぐ”といううちの野球を貫いて、やった先に結果がついてくれば。決勝に相応しい試合を」(中村監督)
「昌平さんは同じ東部地区で少し上のレベルとして見てきたんですが、次は何としても全員で勝ちたい」(田口)
と、監督・選手共に相手の強さを素直に認めるが、認めた上で最後まで自分達を信じて戦うだけだ。