(26日、第107回全国高校野球選手権富山大会決勝 未来富山13―7高岡商) 今大会屈指の左腕・未来富山の江藤蓮投手(3…
(26日、第107回全国高校野球選手権富山大会決勝 未来富山13―7高岡商)
今大会屈指の左腕・未来富山の江藤蓮投手(3年)が頂点に立った。高岡商の粘りに遭いながらも九回を完投した。優勝の瞬間には両手を大きく広げて喜びを全身で表現した。「甲子園出場を決められてうれしい。でも甲子園で勝つことが目標なので、富山代表として一つでも多く勝ちたい」と話した。
富山県内では好投手として知られていたが、注目度が一段と上がったのは、県の推薦選手としてU―18日本代表候補に選出されたことがきっかけだった。4月の強化合宿に参加し、力のある速球を見せて驚かれた。「高いレベルの選手とプレーできて刺激になった。彼らと甲子園で戦いたい」。自分の意識が変わった。
主戦で4番打者。中心選手だが、角鴻太郎監督は「合宿で学んだことをみんなに共有するなど、周りが見えるようになった」と話す。仲間も「江藤を甲子園で投げさせる」という目標が合言葉になり、強い結束を生んだ。
昨夏の準決勝では、富山北部と対戦し、試合は五回まで0―0の緊迫した展開だったが、雷のため50分間、中断。再開後、ボールが高めに浮き、連打を許して2点を失い、惜しくも敗退した。「中断後、一気に疲労を感じた。体力不足を痛感した」と振り返る。
以降は食事管理に注力し、当時より、体重は7キロほど増やし、体調に気を使った。
長野県須坂市出身。野球に集中しプロ野球選手を目指す環境を求めて富山に来た。中学時代は120キロ後半だった球速は145キロまで伸びた。「富山で練習できたから、ここまで来られた」。富山から甲子園の舞台へと挑戦は続く。(前多健吾)