(26日、第107回全国高校野球選手権大阪大会 大阪桐蔭8-1履正社=7回コールド) 7点差をつけられた七回裏。ここで点…
(26日、第107回全国高校野球選手権大阪大会 大阪桐蔭8-1履正社=7回コールド)
7点差をつけられた七回裏。ここで点をとらなければ、コールド負けになる。
履正社の先頭打者は代打の高山潤選手(3年)。二塁手の前へゴロを転がして一塁へ頭から滑り込み、内野安打にした。続く打者が倒れ、1死一塁。矢野塁主将(3年)は次打者席で「このまま終われない。みんなならやってくれる」。そう信じて出番を待った。
だが、最後の打者が併殺に倒れて試合終了。ゆっくりとした足取りで、本塁前の整列に向かった。
大阪桐蔭には秋の府大会の決勝で勝ち、春の府大会の決勝で敗れた。「甲子園に行くなら、倒さなくてはならない」と常に意識してきた相手だ。
チームは課題を攻撃力と見据え、ティーバッティングの練習に時間を割いてきた。この日の試合も「打てる球を迷いなく打っていこう」と、自信を持って臨んだ。
だが、大阪桐蔭のエース中野大虎投手(3年)を打ちあぐねた。走者を出した後、ギアが上がったように球の勢いが増してきた。四回に四球と連打で1点をとったが、そのほかは散発の4安打に封じられた。
「実力に差はない」と臨んだ試合だったが、試合後、矢野主将は「力不足だった」と言った。
ライバルが自分たちを成長させてくれたことに「大阪桐蔭がいたから、ここまで来られた」と、感謝した後、「でも、かなわなかった」と悔し涙を流した。(渡辺萌々香)