(26日、第107回全国高校野球選手権宮崎大会決勝 宮崎商4―3日南学園) 2年連続の甲子園出場がかかったこの日の決勝…
(26日、第107回全国高校野球選手権宮崎大会決勝 宮崎商4―3日南学園)
2年連続の甲子園出場がかかったこの日の決勝も、終盤の好機に打席がめぐってきた。
九回表に同点に追いついた直後の2死一、三塁。宮崎商の水谷友哉主将(3年)は打席から、三塁側スタンドを見つめた。応援に声をからす1年生、そして保護者らの顔が見えた。「仲間とチームを信じてやるしかない。一振りに、すべてを込めた」
5球目の変化球をはじき返した打球が、適時打となり決勝点に。九回裏1死一、三塁のピンチも、鍛え抜かれた内野陣の併殺プレーでしのぎ、マウンドに駆け寄ってエース永友琉生投手(3年)と抱き合った。
昨夏の甲子園を経験した一つ上の先輩たちと比べられ、「弱体化世代」とささやかれた。新チームになって誓ったのは「見返してやろう。結果で示すしかない」。
だから冬はとことん体づくり。今夏に向けては練習試合で見つかった守備の課題を一つずつ突き詰めてつぶし、やれることはすべてやった。
チームは今大会、準決勝でも終盤に5点差をひっくり返す執念を見せつけた。その際も勝ち越し打を放ち、決勝への道を開いた。
次は甲子園が舞台。「この2年半やってきたことを3年生中心に全力で出し切って」成長を見せつけ、勝ちをもぎとりにいく。(奥正光)