(26日、第107回全国高校野球選手権三重大会決勝 津田学園1―0津商 ) 3安打に抑えられた津商打線。キーマンだった…
(26日、第107回全国高校野球選手権三重大会決勝 津田学園1―0津商 )
3安打に抑えられた津商打線。キーマンだった2人の右の強打者も、津田学園のエース左腕を前に思い通りのスイングをさせてもらえなかった。
大会前まで通算15本塁打を放ち、準々決勝の海星戦でも左翼席にたたき込んだ先頭打者の渡辺悠斗選手(3年)は、「4打席のうち、満足にスイングできたのは1度だけだった」と振り返る。
その貴重な打席は、八回無死満塁の好機だった。低めの球を強くたたいて快音を残したものの、前進守備を敷いていた相手遊撃手のグラブに収まり、併殺打に。
「打った瞬間は手応えがあったが、アウトになるとすぐに悟った」。一塁に頭から滑り込んだが間に合わなかった。
4番打者の舘理一郎選手(3年)は、津田学園の桑山晄太朗投手(同)の140キロ台の速球に対応しようと、バットを指4本分短く持って打席に立った。それでも、分かっていたはずの速球に差し込まれ、130キロ近いスライダーにタイミングが合わなかった。
ただ、守備では満員の観客をわかせた。五回の守備では中堅の守備位置で背走しながら大飛球を好捕。六回は中前適時打で先制されたが、その球を矢のようなバックホームで好返球し、観客をどよめかせた。
2人の強打者には、新たな目標ができた。それは「大学に進学し、今日対戦した左投手よりもっとすごい左投手を打ち崩す」。さらなる高みに挑むつもりだ。(安田琢典)