(26日、第107回全国高校野球選手権新潟大会決勝戦 新潟産大付2―3中越) 全6試合のマウンドを1人で守ってきた新潟…

 (26日、第107回全国高校野球選手権新潟大会決勝戦 新潟産大付2―3中越)

 全6試合のマウンドを1人で守ってきた新潟産大付の小平乃希(ないき)(3年)が、ついに力尽きた。ノーシードから勝ち上がり、昨年の快進撃の再現を目指したが、中越打線の一発に阻まれた。「楽しかった」。晴れやかな表情を見せた。

 強打の相手打線を初回の2点に抑え、同点で迎えた七回裏。平沢謙太に投じた7球目を右翼スタンドに運ばれた。「甘く入ってしまった」。勝ち越しを許すが、「ヒットを続けられたのではなく、すぐ切り替えられた」。追加点は許さなかった。

 九回表の攻撃では得点圏に走者が進んだものの、一本が出ず、連覇の夢は絶たれた。

■「甲子園で投げさせたかった」

 小平の6試合の投球数は750球を超え、打撃でも計7打点の活躍を見せた。吉野公浩監督は今年のチームを、優勝した昨年と比べ、「個々の選手の力は落ちる」としながらも、「『小平を勝たせたい』という思いでチームが一つになった。束になると強い」と評価し、「甲子園で投げさせたかった」とつぶやいた。

 試合後、報道陣に囲まれた小平は「高校生活最後の試合になるかもしれないので、楽しもうと思った。悔いはありません」と語った。(エリアリポーター・久保田正)